ぺんてる現地代理店、拡大する消費市場の攻略に本腰
(バングラデシュ)
ダッカ発
2019年08月26日
バングラデシュは2018/2019年度に初の8%台の経済成長を達成し、内需への関心が高まっている。ぺんてるのバングラデシュにおける代理店スバル・バングラデシュのムサ・ムハンマド取締役に、現地での同社の取り組みと同国の消費財市場の可能性について聞いた(8月19日)。
(問)バングラデシュでの取り組みは。
(答)ぺんてるの独占販売代理店として、2010年からボールペンやシャープペンシル、修正液、蛍光ペン、ホワイトボード用マーカー、クレヨンなど計313アイテムを販売している。主な顧客層として学生向け、オフィス向け、工場利用の3つに分かれる。これまではBtoB向け販売だけを行っていたが、2018年からBtoC向けの販売も開始した。消費者向けの販売を開始して10カ月ほどたったが、計800万タカ(約1,040万円、1タカ=約1.3円)程度を消費者向けで売り上げている。特に、現地のスーパーマーケットのユニマートには、ぺんてる専用のコーナーを設置して、販売員も配置しており、ユニマート2店舗だけで80万タカ程度を販売した。ユニマートが主催した子供向けのお絵描き大会にも協賛し、ぺんてる商品を提供した。
(問)バングラデシュの消費財市場の可能性は。
(答)非常に大きいと考えている。ユニマートやショプノといったモダントレードは急成長している。当社はユニマート、ショプノ、ラベンダーといったスーパーマーケットや、ボイビチットラという書店の計47店舗でぺんてるの商品を販売している。間もなくshindabad.comというeコマースサイトでも販売を開始する予定だ。文房具の小売市場は1年で15%程度のペースで成長しており、今後は消費者向け販売にも一層注力していきたい。
(問)事業展開上の課題は。
(答)輸入時の税金の高さだ。バングラデシュでは現在、輸入時に関税を含めた6種類の税金が課されており、税率は合計で57~69%に達し、小売価格を引き上げている。そのため、ローカルのボールペンが5タカ程度なのに対し、ぺんてるの商品価格帯は15タカ~150タカになっている。
また、模倣品も懸念だ。バングラデシュの消費者向け販売は開始して間もないため、現時点では模倣品は確認されていないが、販売を拡大するにつれ、模倣品のリスクも出てくる可能性があるとみており、今後の動向を注意深く見守りたい。
(安藤裕二)
(バングラデシュ)
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