公共料金値上げを決定、インフラ更新に向けた民間資本誘致と説明
(ウズベキスタン)
タシケント発
2019年08月05日
ウズベキスタン政府は7月30日付閣僚会議決定第633号「燃料・エネルギー資源の料金と価格の変更について」を採択し、電気、天然ガス、ガソリン、その他公共料金の値上げを決定した。値上げの理由について、財務省とエネルギー省は「企業が政府補助なしに事業を継続し、インフラ更新のために民間投資(資本)を誘致するために不可欠」と説明している。
公共料金の値上げは、8月15日から実施される。a.電力料金(1キロワット時)は住民向けが18%増〔295スム(約3.8円、1スム=約0.013円)〕、法人向けが36%増(450スム)、b.天然ガス料金(1立方メートル)は住民向けが19%増(380スム)、企業向けが10%増(660スム)、c.ガソリン料金はレギュラーガソリン(1リットル)が13%増(4,500スム)、ディーゼル油は13~16%増(5,400~5,700スム)となる。過去の値上げ(10%程度)よりも高い値上げ幅となる。
これに加え、閣僚会議決定第633号では、現在タシケント市内中心部(ユヌサバード地区)で2019年1月から実証的に導入されている「エネルギー資源利用基礎額」制度について、全国レベルでの制度導入と基礎額の引き下げ(注)を指示。市民に省エネ意識を定着させると同時に、多く電気を消費している家庭により多くの負担を求める。また、冬季に市民に供給する石炭製品についても、市場原理を導入するよう指示したほか、バス、水道などの料金も値上げする。
ウズベキスタンでは現在、エネルギー分野を中心にインフラ更新に民間資本を活用する産業構造転換が進められており、同分野の料金体系の変更(値上げ)は不可欠とされる(2019年7月16日記事参照)。料金引き上げの緩和措置として、最低賃金が8月から10%引き上げられたが(関連ブラック ジャック ディーラー)、エネルギー分野での独占的国有企業の分割および国内外での株式公開に向けた国際会計基準導入などが今後予定されており()、これら企業の採算性を確保するため、政府は継続的な値上げが必要としている。
(注)現在1カ月当たりのエネルギー資源利用基礎額は1契約者当たり300キロワット時として設定されている。基礎額を超える使用分については、係数が乗じられ料金がさらに加算される。基礎額を引き下げることで係数の適用対象者が増えるため、利用者の省エネへのインセンティブが働くとされている。
(高橋淳)
(ウズベキスタン)
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