工業団地からの輸出倍増、日本向け縫製品輸出は減少

(エチオピア)

アディスアベバ発

2019年08月05日

エチオピア工業団地開発公社によると、2018/2019年度(2018年7月8日~2019年7月7日)の工業団地入居企業の輸出総額は1億1,000万ドルで、前年度比2.2倍だった(「エチオピア・ヘラルド」紙7月6日)。工場建屋の賃料やサービス料収入は3億1,600万ブル(約12億6,400万円、1ブル=約4円)で、前年度の1億6,100万ブルから倍近くとなった。

繊維・縫製産業などの誘致を中核として工業化を図るエチオピアは、全国各地で工業団地建設を進めている。建設主体は国、州、民間企業などさまざまだ。工業団地開発公社の管轄下にある国営工業団地は7カ所で操業を開始しており、そのうちアダマ、ジンマ、デブレ・ビルハンが2018/2019年度に稼働した。今後、新たに4カ所(ボレレミ2期、バハルダール、ディレダワ、キリント)が開業予定だ。

輸出増加は、新規稼働した工場による効果とみられる。操業開始後の継続受注、増産による効果や生産品目の高度化による金額増加があるかは不明だ。ジェトロがエチオピアの縫製工場を視察した日系企業関係者と意見交換すると、労働者の技術力、工業としての生産性は、まだアジアの工場に遠く及ばないという。

日本の財務省貿易統計によると、エチオピアからの衣類・同付属品輸入は2017年の130万ドルから2018年は20万ドルへと大きく減少した。2018年までの3年間では、乳幼児向け綿製品は継続して約2万ドル輸入しているが、Tシャツ(綿製)は2016年に60万ドル、2017年に100万ドルを超えたものの、2018年はゼロとなっている。

(関隆夫)

(エチオピア)

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