デング熱が例年を大幅に上回る発症数、雨季はさらに要注意
(バングラデシュ)
ダッカ発
2019年08月02日
バングラデシュでデング熱の感染者が急増している。同国に出張予定などがある場合は十分な注意と対策が求められる。バングラデシュ疫学研究所の発表では、7月24日時点の発症数は6,421件で、例年を上回った2018年の既に約6倍に達している。デング熱は通常、雨季の9月ごろが発症のピークとなっており、これからの時期も一層の注意が必要だ。
デング熱は、ネッタイシマカやヒトスジシマカというデングウイルスを持った蚊に刺されることで感染し、バングラデシュでは雨季で蚊が増える6月から11月ごろまで発症が増加する。バングラデシュ疫学研究所が発表したデータ(注)では、2019年は7月に入って感染者数が急増していることが分かる。ある医療関係者によると、「例年であれば9月ごろから入院患者が増えるが、今年は7月から既に入院患者がいる」という。また、「就寝時には蚊帳の利用を徹底してほしい」と呼び掛けている。
デング熱には有効なワクチンがないため、長袖と長ズボンを着用し、虫除け薬を利用することで、日中に蚊に刺されないことが最善の予防方法となる。在バングラデシュ日本大使館はバングラデシュ滞在者に対し、6月24日にデング熱への注意喚起を出している。
(注)バングラデシュ疫学研究所のウェブサイトから、過去のデング熱の発症数を確認することができる
(安藤裕二)
(バングラデシュ)
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