AfCFTAは2020年7月運用開始へ、AU臨時総会開催

(アフリカ)

中東アフリカ課

2019年07月08日

アフリカ連合(AU)の臨時首脳会議が7月7日、ニジェールの首都ニアメで開催された。会議の中で、アフリカ大陸自由貿易圏(AfCFTA)の設立式典が開かれ、AfCFTA協定が設立準備の段階から実行段階へと移行したことを宣言した。報道によると、首脳会議のホスト国ニジェールのイスフ・マハマドゥ大統領が、2020年7月からの運用開始を目指していることを明かした(「AFP通信」7月7日)。

AfCFTA設立協定は、AU加盟国55カ国・地域の参加が目指されている自由貿易協定(FTA)で、域内貿易の促進を最大の目的とする。2018年3月に協定の署名式が行われ、発効の条件だった22カ国の批准が5月に完了したことで発効した。発効後初めてAU加盟国が集まった今回の首脳会議で、協定の進捗を内外にアピールした格好だ。

ナイジェリア、ベナンの署名で追い風も、引き続き課題が残る

署名を見送っていたナイジェリアとベナンが同日、同協定に署名した。AU加盟国55カ国・地域のうち、エリトリアを除く54カ国・地域が署名したことになる。同日時点で27カ国が批准していることも発表された。さらに、AfCFTA事務局の誘致に7カ国が立候補していたが、ガーナに設置されることが正式に決まった。

本格運用となれば、世界最大級の共通市場となるが、本格運用に向けて課題も残る。AfCFTA設立協定の発効により、協定の大枠は定まったが、各国から提出される物品貿易における関税率の譲許表と原産地規則の交渉・承認、サービス貿易の交渉開始が待たれている状況だ。

(山崎有馬)

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