新ウランバートル国際空港、2020年上半期に開港見込み
(モンゴル、日本)
北京発
2019年07月17日
モンゴルの新ウランバートル国際空港のコンセッション契約署名式が7月5日に行われ、フレルスフ首相や関係閣僚、日本・モンゴル両国の関係者が参加した(注1)。開港は2020年上半期になる見込み。
新空港の総工費は5億6,000万ドルで、日本の円借款で建設された。2013年に着工し、日本側が担当した空港の主要施設の建設は2017年1月に完成、モンゴル側に引き渡された。しかし、モンゴル側が担当した事務所棟、整備工場などが2016~2017年のモンゴル国内の経済危機の影響で工事予算が計上できず、着工が遅れていた。
新国際空港の管理は、日本とモンゴルの合弁会社New Ulaanbaatar International Airport(以下、NUBIA)がコンセッション方式で運営する(注2)。コンセッション期間は15年で、NUBIAは契約発効後10カ月以内に開港準備を行い、空港を開業する計画だ。NUBIAには、日本の三菱商事、成田国際空港、日本空港ビルデング、JALUXからなるコンソーシアムSPV(特別目的会社)のJapan Airport Managementが51%を、モンゴルのフシギーンフンディー空港公社が49%を出資する(注3)。
エンフアムガラン道路・運輸相は地元メディアのインタビューに対して、「新空港開港後は、現在の空港施設は民間および軍のパイロット、整備士養成施設として活用される予定だ」と述べた(「道路・運輸開発省」ウェブサイト6月13日)。
開港までに解決すべき課題としては、電力供給の確保がある。電力供給ルートを複数確保する必要があり、第2の供給ルートであるソンギノ変電所と新空港を結ぶ送電線の接続工事が進んでいない。ウランバートル市のアマルサイハン市長は6月22日に同工事の現場視察を行った際、「先日の閣議で工事に必要な40億トゥグルク(約1億6,400万円、1トゥグルク=約0.041円)を2020年度予算に計上することが決まり、2020年春までに作業を完了するよう指示している」と述べた。
(注1)7月5日の式典当日に新空港へアクセスするモンゴル初の高速道路(32.2キロ)が開通した。
(注2)6月28日の閣議で、新国際空港のマネジメントを日本とモンゴルの合弁会社が「投資・運営・移管」という条件のコンセッション契約に基づいて運営することが承認された。
(注3)上記4社は7月5日、国家開発庁との間で事業権契約を締結したことを発表した(各社プレスリリースより)。
(藤井一範)
(モンゴル、日本)
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