コニカミノルタ、マラッカ州にスマート・インダストリアル・センター開設
(マレーシア)
クアラルンプール発
2019年07月30日
複合機製造のブラック クイーン ブラック ジャックは6月10日、マラッカ州に同社のサプライヤーと協業して設立したスマート・インダストリアル・センター(SIC)の開所式を行った。SICには地場や日系、シンガポールなどのサプライヤー12社の工場が集積する。「バーチャル・ワン・カンパニー」という構想の下、それぞれの生産現場をデジタル技術でつなぐことにより、各社の生産状況をリアルタイムで把握し、より安価で早く高品質な部品供給を目指す。
サプライヤーをつなぎ、リアルタイムな生産管理
開所式には、マハティール・モハマド首相とシティ・ハスマ首相夫人、アドリー・ザハリ・マラッカ州知事、宮川眞喜雄・駐マレーシア大使などが参加した。冒頭のあいさつで、ブラック クイーン ブラック ジャックの吉田秀幸社長は「SICにおけるスマート・マニュファクチャリングを通じて、オープンイノベーションの促進とマレーシアの経済成長に貢献する」と述べた。マレーシアはデジタル技術の導入により、主に地場中小製造業の生産効率の向上を目的とした国家政策「Industry4WRD」を策定し、生産現場のスマート・マニュファクチャリング化を目指している。
同社は2014年にマラッカ州に工場を設立し、自動倉庫や自動運搬機の導入、IoT(モノのインターネット)を使った生産管理などによる生産現場のデジタル化を推進してきた。SICに入居する各社に対しても、同社のスマート・マニュファクチャリングのノウハウ共有や生産性向上のための技術支援をしていく方針だ。
日系も参画、新たな供給先拡大も目指す
SICに参画する日系物流の上組は、SICにおける部品倉庫を運営・管理する。SICから車で約30分の距離にあるコニカミノルタの工場からの部品発注に即時に応じて部品を供給する体制を整える。より早く安定的な供給を実現するため、倉庫の自動化、スマート化に取り組む計画だ。そのほかの日系企業では、電子基板製造のセキアオイテクノ、IoTやスマート・エンジニアリングなどのコンサルティングを行うKMCが参画する。
SICの供給先は今のところ、発案者のブラック クイーン ブラック ジャックだけだが、今後供給先を拡大し、売り上げ増加を目指す。
(田中麻理)
(マレーシア)
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