ハイテク新興企業向けの株式市場「科創板」、7月22日に取引開始
(中国)
中国北アジア課
2019年07月11日
上海証券取引所は7月5日、新たに開設したハイテク新興企業向けの株式市場「科創板」(英語名:Science and technology innovation board)が、7月22日に取引を開始すると発表した。第1号銘柄として上場するのは25社。業種別では、コンピュータ・通信・その他電子設備製造業が9社と最も多く、特殊設備製造業が8社、鉄道・船舶・航空・その他運輸設備製造業が3社、ソフトウエアブラック ジャック ブラック クイーン技術サービス業が2社と続く。
創設急いだ背景に米国の「貿易戦争」
科創板は、2018年11月に開催された第1回中国国際輸入博覧会(CIIE)の開幕式で習近平国家主席が創設を表明し、2019年6月13日に正式に開設された。中国政府が科創板の創設を急いだ背景として、香港メディア(「サウスチャイナ・モーニングポスト」紙6月19日)は、「米中の貿易戦争がハイテク分野に及んでいることから、中国政府には(科創板の創設により)資金調達のプラットフォームを立ち上げ、国内のハイテク分野のスタートップ企業を支援する狙いがある」と指摘している。
科創板の主な特徴としては、「登録制」が試験導入される点だ。これまで中国の株式市場では、中国証券監督管理委員会による「審査認可制」が採用されていたが、この簡素化を図る。米国の世界最大の新興企業向け株式市場ナスダックでも、「登録制」が採用されており、より国際的な基準に近づけたかたちといえる。また、上場基準も緩和され、基準を満たせば黒字化を達成していない企業でも上場が認められる。
取引開始を前に、投資家の間では市場の過熱が予想される中(「サウスチャイナ・モーニングポスト」紙6月19日)、上場後に各社が事業の継続的な発展につなげられるか注目される。
(小林伶)
(中国)
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