ドバイ万博に向けた討論会シリーズ「ワールド・マジュリス」がロンドンで開催

(アラブ首長国連邦、英国)

ドバイ発

2019年07月18日

アラブ首長国連邦(UAE)のドバイ万博公社(以下、公社)は7月3日、2020年ドバイ国際博覧会(会期:2020年10月20日~2021年4月10日)(以下、ドバイ万博)に向けて実施している討論会シリーズ「ワールド・マジュリス」をロンドンで開催した。

英国における最大規模のアラブ文化の祭典「シュバック・フェスティバル」と同時開催された今回の第8回ワールド・マジュリスには、マンスーリ・アブルール駐英国UAE大使、ローラ・フォークナー英国館館長兼ドバイ万博英国政府代表ら両国政府・ドバイ万博関係者に加え、テクノロジー、革新技術、芸術分野といった各界から有識者が参加。ドバイ万博・英国館の出展コンセプト(英国館・オランダ館がくわ入れ、ドバイ万博でトランプ)にも関連する「現実の拡張性」を議題として、ナジーブ・モハメッド・アル=アリ公社事務局長の進行の下、人工知能(AI)などの最新技術を世界の利益のためにどう使うべきか、といった討議が行われた。

前回の第7回は2019年3月にルワンダの首都キガリで開催され、「多様で包括的なグローバルビジネスへの道」が議題として討議された。2018年9月には、米国・ニューヨーク市で「80億人の可能性」と題して開催、新興国を中心に人口拡大が続く中、近未来社会をどう形づくることができるかといった議論がなされ、リーム・ビント・イブラヒーム・アル・ハーシミーUAE国際協力担当国務相兼公社総裁は「今日最大の脅威は無関心」だとし、ドバイ万博の開催テーマである「Connecting Minds, Creating Future(心をつなぎ、未来をつくる)」ともひも付け、「われわれは共感し、喚起し合い、協働を生み出さなければならない」と提言している。

公社が「心をつなぐ」プラットフォームとして、国内外でシリーズ開催している「ワールド・マジュリス」は、さまざまな社会課題についての議論を各地で展開し、オピニオンリーダーの交流を進めていくことで、その成果としての新しい視座やアイデアを集めていくことを意図している。2020年10月の万博会期開幕まで計20回、会期中は50回の開催を計画しており、最終的に将来への1つの提言にまとめ上げる予定。「マジュリス」とはアラビア語で「座る場所」を示し、「集会場」や「議会」といった意味も含んだ言葉で、UAEを含むアラブ諸国において、古くから人々が集い問題などを話し会う場として催されてきた伝統にちなんでいる。

(田辺直紀、安井梓)

(アラブ首長国連邦、英国)

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