欧州委、日EU・EPAの税関運用に関する相談窓口を開設

(EU、日本)

欧州ロシアCIS課

2019年07月30日

欧州委員会・関税同盟総局はこのほど、日EU経済連携協定(EPA)の利用にかかる事業者向け相談窓口を新たに開設した。同総局ウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます内で、問い合わせ先としてeメールアドレスTAXUD-E5_EU_JAPAN_EPA@ec.europa.eu外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを掲載した。「日EU・EPA実施にかかる特定の質問」を受け付ける窓口として案内する。

今回の開設は、6月26日に日EU両者間で開催された「日EU・EPA原産地規則および税関に関連事項に関する専門委員会」の第1回会合を踏まえたものだ。日本の外務省によると、同会合では主に、日EU・EPAの原産地規則に係る税関手続きについて協議し、協定のさらなる利用促進のために日EU双方が取り組んでいくことで一致したとしている。さらに、日本税関が7月1日付で、同会合において日EU双方が採択した文書PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(英文)を公開。採択文書は、協定のさらなる利用促進のため、日本側、EU側がそれぞれ税関運用の改善に向け一定の事項を約束する内容となっており、今回公表された相談窓口は、同文書上でEU側(欧州委員会・関税同盟総局)が8月1日までに開設することを約束していた「意見箱」に相当する(表参照)。

表 「日EU・EPA原産地規則および税関に関連事項に関する専門委員会」第1回会合におけるEU側の主な約束内容

なお、同文書におけるEU側の約束内容のうち、(1)は「協定の適切な実施を確保するために加盟各国の税関担当者との間で8月1日までに確認する」事項だが、中には協定上明記された規定を確認する内容も含む。これらは、EU加盟28カ国の税関で安定的な運用を行うことを目指して今回あらためて約束されたものと理解され、EU側での今後の運用の改善が期待される。

日EU・EPAは2月1日の発効から8月で半年が経過するが、両政府間で引き続き安定的な運用に向けた取り組みが進められている。EU側で加盟28カ国の運用を統一する役割を担うのは欧州委員会だ。事業者が、運用に関する課題を今回開設された意見箱に寄せることで、欧州委が各国税関での日EU・EPA運用実態を把握することができ、今後のさらなる運用改善にもつながる。同EPAを利用する事業者は、EU側税関の運用に関し疑問に思う点がある場合には、積極的な意見箱の活用がその解決の一助になるだろう。

(根津奈緒美)

(EU、日本)

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