米スペースXのコンペティションでスイスの工科大学2校が入賞
(スイス)
ジュネーブ発
2019年07月30日
イーロン・マスク氏が経営する米国のスペースXが主催する「ハイパーループ・ポッド・コンペティション」が7月21日にロサンゼルスで開催され、チューリヒ工科大(ETH)を中心としたスイスループチームと、ローザンヌ工科大(EPFL)のEPFLoopチームがそれぞれ2位と3位に入賞した。
このコンペティションは、マスク氏が考案したハイパーループ(チューブと呼ばれる減圧されたトンネルの中を列車が高速で走行する次世代輸送システム)の実用化技術の向上を目的とする学生向けの大会で、今回で4度目となる。直径1.8メートル、長さ約1.6キロのチューブに挿入された輸送機のプロトタイプ(ポッド)の走行速度を競うため、世界中から21チームが参加した。
スイスは以前から参加しており、2017年の第2回大会でスイスループチームが3位に、2018年の第3回大会ではEPFLチームが3位に入賞している。今回の大会1位となったドイツのミュンヘン工科大チームは最高速度463キロを達成し、イノベーション賞も併せて受賞した。ハイパーループシステムが目指す理論上の最高速度は時速1,200キロとのことで、今後の研究による性能向上が期待される。主催者のイーロン・マスク氏は「次回はカーブがある(より長い)10キロのコースでの競争になるだろう」とツイッターに投稿した。
カリフォルニアに拠点を置くバージン・ハイパーループ・ワンはバージングループやフランス国鉄SNCFなどからの出資を受けて、2025年までの実用化を目指して開発を進めており、既にネバダ砂漠に短距離の試験走行トラックを建設している。同社の共同創業者で最高技術責任者(CTO)のジョシュ・ジーゲル氏によると、インドの主要都市間を結ぶハイパーループが最初に実現される可能性が高いという。
(和田恭)
(スイス)
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