経済産業省、韓国向け輸出管理の運用の見直しに着手
(日本、韓国)
ソウル発
2019年07月04日
経済産業省は7月1日、韓国に関する輸出管理上のカテゴリーを見直すため、「外国為替及び外国貿易法」(以下、「外為法」)輸出貿易管理令別表第3の国(いわゆる「ホワイト国」)から、韓国を削除するための政令改正についての意見募集を開始した。
ホワイト国とは、各国際輸出管理レジームに参加し、輸出管理を厳格に行っている27カ国(アルゼンチン、オーストリア、ベルギー、ブルガリア、カナダ、チェコ、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、アイルランド、イタリア、韓国、ルクセンブルク、オランダ、オーストラリア、ニュージーランド、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、スペイン、スウェーデン、スイス、英国、米国)。
また、7月4日からは、フッ化ポリイミド、レジスト、フッ化水素の韓国向け輸出とこれらに関連する製造技術の移転(製造設備の輸出に伴うものを含む)について、包括輸出許可制度の対象から外し、個別に許可申請を求める輸出審査を行うことが発表された。
今回の政令改正で韓国がホワイト国から削除されると、これまで適用の対象外だったキャッチオール規制が適用されるとともに、一部の包括許可制度の利用ができなくなる。また、フッ化ポリイミド、レジスト、フッ化水素の3品目については、リスト規制の包括許可制度の適用が縮小される。
韓国の成允模(ソン・ユンモ)産業通商資源部長官は7月1日午後、「韓国に対する日本の輸出制限措置は、韓国の大法院判決を理由とした経済報復措置であり、WTO協定で原則的に禁止されている行為だ。また、『自由、公平、無差別で透明性があり予測可能な安定した貿易及び投資環境を実現し、我々の市場を開放的に保つよう努力する』というG20サミット首脳宣言文の趣旨にも反することを表明するとともに、今後、韓国政府として、WTOへの提訴や、国際法と国内法に基づく必要な対応措置を取っていく」と発表した。
また、趙世暎(チョ・セヨン)外交部第1次官は、長嶺安政・駐韓日本大使を外交部に呼び、日本政府の今回の措置は、韓国の関連産業のみならず両国関係にも否定的な影響を及ぼし得るとして、深刻な憂慮と遺憾の意を伝えた。さらに今回の措置は、日本が自ら採択したG20サミット首脳宣言文の趣旨にも反することを強調し、同措置の撤回を要求した。
(末永敏)
(日本、韓国)
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