PSAがモロッコのフリーゾーンで自動車工場を新設、中東アフリカへ輸出
(モロッコ)
ラバト発
2019年06月28日
6月20日にモロッコ・ケニトラのアトランティックフリーゾーンで、フランスの自動車大手グループPSAの工場開所式が行われ、モハメッド6世国王らが参加した。2015年6月にモロッコ政府とグループPSA間で合意してから、4年後の開所となった。同工場は従業員約1,000人で、年間10万台の自動車生産能力を持ち、新型プジョー「208」やエンジンが生産される予定。2023年までに年間生産能力20万台、4,000人の雇用創出が見込まれ、総投資額は5億5,700万ユーロの予定だ。現地報道によると、同工場で生産された自動車の90%は、チュニジア、サブサハラアフリカ、トルコ、中東などに輸出される。
開所式に参加したモロッコのムーレイ・ハフィド・エルアラミ産業・投資・貿易・デジタル経済相は、グループPSAが建設工事を予定どおり完了したことを称賛した。同社は、既に30億ディルハム(約330億円、DH、1DH=約11円)を投資し、今後も相当額の投資が計画されていること、同工場では電気自動車などの生産が予定されていることを明かした。また、2018年に同社のモロッコ国内における部品調達額が約7億ユーロに達したことに触れ(関連ブラック ジャック ルール)、2025年までに国内調達額は10億ユーロに達することが見込まれていると言及した。将来的には国内の部品調達率を8割まで高める予定で、既に同社の部品調達先として10カ国27の新工場がケニトラに設けられている。
グループPSAのジャンクリストフ・クエマール上級副社長(中東アフリカ担当)は「グループPSAは世界で最も成功している自動車メーカーの1つで、モロッコは当グループの成長戦略の中心にある。地域統括センターの設置先で、研究開発センターを発展させる場所として、モロッコを選んだ」と述べた。
モロッコは2018年の自動車生産台数が、アフリカの中では南アフリカ共和国に次ぐ40万台超となり、乗用車の生産台数はアフリカで1位となった(国際自動車工業会)。また、現地報道によれば、2018年の自動車産業の輸出額は651億DHで輸出額全体の27.1%を占め、最大の輸出品目となっている。グループPSAの新工場開設により、同国の自動車および関連品目の生産・輸出の増加、調達先である部品メーカーの進出が期待されている。
(本田貴子)
(モロッコ)
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