世界最大規模の21 トランプが上海で運営開始

(中国)

上海発

2019年06月14日

世界最大規模となる水素燃料電池自動車用の21 トランプ(以下、21 トランプ)が6月5日、上海化学工業園区で運営を開始した。これは、2018年1月に上海化学工業園区と上海汽車集団(以下、上汽集団)が調印した燃料電池自動車(FCV)協力の成果の1つだ。同時に、上海燃料電池自動車発展計画における水素基礎施設建設プロジェクトに該当し、上海水素ベルトおよび長江デルタ水素ベルトにおける重要な施設でもある。

21 トランプの面積は約8,000平方メートル、1日当たり約2トンの供給能力がある。化学工業園区で排出された水素を原料としており、水素補充、FCVのメンテナンスなどの機能も備えている。主に、上汽集団が化学工業園区内でモデル運営する20台のFCV向けにサービスを提供する。

上汽集団は2001年に水素燃料電池の技術開発を開始して以降、燃料電池分野で350件の特許を取得している。また、燃料電池国家標準の制定に積極的に参画するだけでなく、FCVの製造も行っている(表参照)。

表 上汽集団のFCV開発の歴史

上汽集団の藍青松副総裁は「この21 トランプは化学工業園区から排出される水素を利用するだけではなく、充電、メンテナンス機能を備えるステーションとして、中国国内の21 トランプのモデルとなる意義も含まれている」と述べた。

5月24日には、長江デルタ地域における水素エネルギー産業の発展を目指す「長江デルタ水素ベルト建設発展計画」が発表されるなど、上海における水素産業の発展は進みつつある。

(侯恩東)

(中国)

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