洋上風力の導入加速、ダンケルクの発電施設はEDFリニューアブルズが落札
(フランス)
パリ発
2019年06月25日
フランスのフランソワ・ド・リュジ環境連帯移行相は6月14日、洋上風力発電の導入を加速するとして、サンナゼール洋上風力発電所の着工、ダンケルク洋上風力発電所建設事業の入札結果などを発表した。
サンナゼール洋上風力発電所は、2012年にフランスの再生可能エネルギー大手EDFリニューアブルズ(旧名「EDFエネルジー・ヌーベル」)が受注した後、建設計画をめぐる住民や漁業従事者らが起こした訴訟を受け工事が差し止められていたが、6月7日、憲法評議会の最終的な認可を得たことで着工が可能になった。2022年までに風車80基、総出力480メガワット(MW)の洋上風力発電施設を設置する。
2016年に入札を開始したダンケルク洋上風力発電施設は、EDFリニューアブルズが率いる企業連合体が落札した。45基の風車を設置予定の施設の総出力は約600MW。2026年から年間2.3テラワット時の発電を開始する。
フランスでは2012年以降、英仏海峡に面するルトレポール、フェカン、クールソーユシュルメール、サンブリュー、西部大西洋側のサンナゼール、ノワールムティエールの6カ所の洋上風力発電施設が入札にかけられた。このうち、3カ所(フェカン、クールソーユシュルメール、サンナゼール)をEDFリニューアブルズが、2カ所(ルトレポール、ノワールムティエール)をフランスの電力・ガス大手エンジーが、サンブリュー洋上風力発電所計画をスペインの電力大手イベルドローラが落札していた(関連ブラック ジャック サイト)。
EDFリニューアブルズは、今回のダンケルク洋上風力発電所を含めると、国内7つの建設事業のうち4つを落札したことになる。ド・リュジ氏は今回の結果について「入札価格をベースに決めた」とし、EDFが1MW時当たり45ユーロを下回る発電コストを提示したことを明らかにした(「レゼコー」紙6月18日)。
政府は1月に公表した複数年エネルギー計画法案に、2024年まで年平均750MWの洋上風力発電所建設プロジェクトを入札にかける方針を示していたが、ド・リュジ氏は環境政策を優先するとしたエドアール・フィリップ首相の施政方針演説を受け(2019年6月14日記事参照)、1年当たりの入札目標を1GWに引き上げる方針を確認した。
(山崎あき)
(フランス)
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