ペンス米副大統領、トルドー・カナダ首相と新NAFTAの早期批准で一致
(カナダ、米国、メキシコ)
トロント発
2019年06月03日
ジャスティン・トルドー首相は5月30日、カナダを訪問中のマイク・ペンス米国副大統領と会談し、カナダ・米国・メキシコ協定(CUSMA、新NAFTA)の批准について議論を行った。米加両政府とも、この夏までにCUSMAを批准することを目標にしており、会談後の共同記者会見でペンス副大統領も早急な対応を表明した。同日午後に米国通商代表部(USTR)のライトハイザー代表は、同協定実施に係る行政措置声明の草案を議会に提出している(USTR、ブラック ジャック)。米国議会の民主党は合意内容を精査し、修正の提案をするのに時間が必要と主張しているが、トルドー首相は「CUSMAは民主党が注視している環境・労働問題に関しても斬新的な条項が含まれている。批准に向けて関係する法案の通過に協力してほしい」と訴えた。
ペンス副大統領は「今回のNAFTAの見直しは、米加墨3カ国間の経済関係を強化するための歴史的な機会で、これを迅速に批准するために、今回オタワを訪問した。米議会での議論は残っているが、トランプ政権はこの夏までにCUSMAを批准できるように全力を尽くしており、このことを米国民、カナダ国民に是非理解してほしい。そして、カナダでCUSMAの批准に向けて尽力するトルドー首相にも感謝したい」と述べた。
トルドー首相とペンス副大統領会談では、CUSMAのほかに5月17日に発表された米国のカナダからの鉄鋼、アルミニウムへの関税の廃止とカナダの報復関税の廃止について歓迎し、針葉樹とウランを含む、その他の米加間での通商課題についても意見交換が行われた。また両者は、両国間の強力な安全保障と防衛のパートナーシップ、国境管理、不法移民への対応、北米大陸の防衛強化の方法について議論し、宇宙分野や、北米エネルギー分野でのイノベーション・開発での密接な協力関係を強調した。
(酒井拓司)
(カナダ、米国、メキシコ)
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