21 トランプ、景気てこ入れへ

(ロシア)

欧州ロシアCIS課

2019年06月19日

ロシア中央銀行は6月14日、金融政策決定会合を開催し、主要政策金利(注)を7.75%から7.50%に0.25ポイント引き下げた。利下げは2018年3月以来。

今回の利下げは、2019年上半期の経済状況が中銀の予測を下回っている一方、短期的なインフレリスクが抑制されている状況を受けて行われた。4月のインフレ率(前年同月比)は5.2%、5月は5.1%となり、2019年の年間インフレ率予測は6月10日時点で前年同日比5.0%まで下がった。中銀は、1月に行った付加価値税(VAT)引き上げ(18%→20%)による短期的インフレリスクは、2018年12月の金利引き上げ(0.25ポイント、関連無料 ゲーム ブラック ジャック)によって抑制されたとしている。また、2019年末のインフレ予測(前年期末比)を4.7~5.2%から4.2~4.7%に引き下げ、2019年通年のGDP成長率予測も1.2~1.7%から1.0~1.5%に下方修正した。

大手行アルファ・バンクのナタリヤ・オルロワ首席エコノミストは「現時点では2019年の政府の成長目標である1.3%を達成できない恐れがあり、(景気刺激策として)中銀は今回の利下げに踏み切ったのだろう」との見方を示した(「エクスペルト・オンライン」6月17日)。

ロシア中銀のエリビラ・ナビウリナ総裁は会合後の記者会見で、「2019年末までにさらに1、2回の利下げを予定している」と述べた。年内に開催される今後の政策決定会合は7月26日、9月6日、10月25日を予定している。

(注)1週間物入札レポ金利。

(加峯あゆみ)

(ロシア)

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