「治療アプリ」の日系ベンチャー、キュア・アップがロサンゼルス郊外に進出
(米国)
ロサンゼルス発
2019年06月04日
疾患の治療を支援するスマートフォン・アプリを開発している日系ベンチャーのキュア・アップ(本社:東京都)ロサンゼルス支社の西井憲一郎氏は、ジェトロのインタビューに対し、禁煙治療用アプリに注力し事業展開を進める米国での戦略について語った(5月1日)。同社は3月11日に、ロサンゼルス郊外のマンハッタンビーチに初めての米国拠点を設立した。日本ではニコチン依存者向けに禁煙を促すアプリの開発のほか、高血圧、非アルコール性脂肪肝炎の患者に対する「治療アプリ」(注)の臨床研究も進めている。
依存症治療に関するカジノ 無料提供を行っているアディクションセンターによると、米国では現在約5,000万人がニコチン依存症に陥っている。西井氏は「ニコチン依存症への早急な対応が求められている中、米国での治療法の多くは、月1、2回程度のカウンセリングと処方薬のみで、それ以外は患者が自身で精神依存を管理せざるを得ない状況のため、再喫煙率が高いとされている」と話す。
キュア・アップはこの点に着目した。同社の提供する禁煙治療用アプリは、ニコチン依存の治療に有効とされる行動療法という専門的な心理療法の診療ガイダンス(動画、メッセージなど)を患者ごとに個別化したかたちで送受信する機能を持ち、患者へ行動変容を促す。喫煙によって変動する呼気中の一酸化炭素濃度を簡易に測定する機器も付いているため、そのデータをもとに禁煙の進捗を正確に把握することで、患者へのガイダンスの精度をさらに上げることが可能となった。また、西井氏によると、アプリ上のデータは医師と共有可能なため、医師による診療の質の向上も見込めるという。
同社は米国進出に当たり、ジェトロの日系企業向けブラック ジャック 攻略サービス内容を利用しており、ブリーフィングや弁護士の紹介などのサポートを受けた。今後は、専門家によるビジネスアドバイスなども受ける予定だ。また、現地拠点の設立では、当初、ソフトバンク・ビジョン・ファンドが出資するコワーキングスペース大手のWeWorkに入居した。西井氏によれば、WewWorkからのサポートもあり、拠点設立は比較的容易だった、と西井氏は話している。
(注)「治療アプリ」は、キュア・アップの商標。
(村田颯馬)
(米国)
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