長岡技大、ホーチミンで日越間の産学官連携オフィスを開設

(ベトナム、新潟)

アジア大洋州課

2019年06月10日

長岡技術科学大学(新潟県長岡市、以下、長岡技大)は7月、日本とベトナムの産学官連携を促進する枠組み・GIGAKUテクノパーク(GTP)オフィスをホーチミン市工科大学(HCMUT)内に設置する。HCMUTの人材がGTPのコーディネーターとして、同大学内に蓄積する研究・人材を活用しながら、地場や日系の現地企業とネットワークを構築し、GTPプロジェクトを進める。

GTPは、ベトナム地場や日系双方の現地企業との共同研究、日本企業のブラック ジャック コツ進出、日本技術の現地化などを進めるのが狙いだ。同時に、長岡技大の研究が活用され、これら実績がPRとなり、優秀な人材が同大に集まることも期待できる。GTPではこれまで、モンゴル、メキシコなど8カ国に拠点を開設しており、ベトナムでもハノイ工科大学(HUST)に2015年にGTPオフィスを開設している。

GTPは既に、現地大学・企業・長岡技大との共同研究として40件、新潟県内外の企業のブラック ジャック コツ進出を40件支援してきており、進行中の共同研究が18件ある。タイのチュラロンコン大学、県内企業の日本精機のタイ法人と長岡技大の3社による共同研究により、同社が生産する樹脂成型品を自動で検査するシステムを開発した。従来は目視で検査してきた工程が効率化されたのは、この実績の1つだ。

ベトナムでは現在、HUSTと日系A社、長岡技大が画像処理技術を活用した自動検査技術の開発を進めるなど、4件の共同研究があり、ホーチミンでの拠点設立によりこうした動きを拡大させる意向だ。

HCMUTの教育研究連携とGTPを担当する長岡技大の佐々木徹准教授は「中小企業を中心として現地日系企業は、製造設備はあるものの、効率化や技術の現地化を達成するための研究開発(R&D)機能を有しているケースは少なく、GTPが貢献できる」と話している。また、「日本とベトナム双方において、多くの日本企業のGTPに対する認知度を高めることが喫緊の課題。工学系研究、人材が集まる本校とHCMUTの資産をぜひ活用してほしい」と語る。

(小林恵介、川村勇貴)

(ベトナム、新潟)

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