2018年度の自動車生産台数は約4割減、販売価格は大幅上昇

(イラン)

テヘラン発

2019年05月10日

イランの2018年度(イラン暦1397年:2018年3月21日~2019年3月20日)の国内自動車生産台数は、前年同期比37.8%減の95万5,923台となった。米国による対イラン制裁、特に自動車分野に対する制裁が2018年8月から再開された影響が大きく出た状況だ。自動車関連の外国企業がイラン市場から徐々に撤退しているほか、自動部品の輸入も滞っており、国内の自動車生産台数が大きく落ち込んだ。

表1 2018年度のイランの自動車生産台数および輸出入台数

乗用車の生産台数をメーカー別にみると、国内5大メーカーの生産台数もそれぞれ減少した。特に、国内市場の9割以上のシェアを占めていた2017年度上位3社(イランホドロ、サイパ、モディラン)の生産台数は前年同期比で4割前後落ち込んだ。結果、モディランは順位を1つ落とし、ケルマンが2018年度は3位となった。(表2参照)。

表2 2018年度のイランの会社別乗用車生産台数

主要車種別にみると、サイパが生産する「プライド」が13万8,884台でトップとなった(表3参照)。続いて、サイパが生産する「ティーバ」が13万6,809台、イランホドロが生産する「プジョー206」が11万6,337台で、上位3車種までの順位は2017年度と同じだった。5月現在の「プライド」の価格は5億600万リアル(市場レートで約3,400ドル相当)で、現地通貨ベースでは前年同期比で2.2倍と大幅に上昇している。

表3 2018年度のイランの主要車種生産台数

(注)発表資料はイラン自動車製造社協会(IVMA)ウェブサイトPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)で確認可能(ペルシア語のみ)。

(中村志信)

(イラン)

ビジネス短信 f893b51283469177