アンドラ・プラデシュ州議会選挙で与党TDPが大敗
(インド)
チェンナイ発
2019年05月27日
インド南部アンドラ・プラデシュ(AP)州の議会選挙で、与党テルグ・デーサム党(TDP)が大敗した。2014年に旧AP州からテランガナ州が分離独立して以降、AP州議会選挙が行われるのは今回が初めて。投票は下院総選挙のAP州での投票日と同じ4月11日に行われ、5月23日に開票された。与党TDPが敗れたことで、これまで同党のナイドゥ州首相が主導し進めてきた新州都アマラバティ開発プロジェクトなどに影響が出る可能性がある。
インド選挙管理委員会(EC)によると、TDPは選挙前の99議席から23議席へ大幅に減らした。前回選挙時、TDPはインド人民党(BJP)と連立を組んだが、2018年3月に解消していた。一方、最大野党YSRコングレス(YSRCP)は、66議席から単独で半数を大きく上回る151議席へと躍進した。YSRCPのY・S・ジャガン・モハン・レッディー総裁は「これは州民の勝利だ」とコメントし(「エコノミック・タイムズ」紙5月23日)、敗れたナイドゥ州首相は23日に辞表を提出した。
今回の選挙戦では、「特例区分州(Special Category State)」の適用をめぐる対応や、新州都アマラバティ開発プロジェクトなどが争点となった。「特例区分州」の対象となれば、中央政府から州開発計画への補助率増加など財政支援が得られる。テランガナ州の分離独立により、経済の中心である州都ハイデラバードを失うことになるAP州政府は、分離当時の中央政府の与党だった国民会議派政権から「特例区分州」の5年間の適用を閣議決定されていたが、2014年に誕生したBJP政権下でその適用を否定され、野党YSRCPはこれをめぐるナイドゥ州首相の対応を批判していた。また、新州都アマラバティ開発プロジェクトについては、2024年の完成を目指しているが、整備の大きな進展が見られず、その実行性に対する懐疑的な見方も出ていた。
選挙結果を受け、AP州ではYSRCPによる新政権が誕生し、近日中にジャガン・モハン総裁が州首相に就任するとみられる。
(坂根良平)
(インド)
ビジネス短信 e7d74eaa14ad71cf