ヤマハ発動機が二輪車生産の技術支援を開始
(バングラデシュ)
ダッカ発
2019年05月30日
バングラデシュの大手化学品メーカーACIは5月11日、ヤマハ発動機から技術支援を受けて二輪車生産を開始すると発表した。ACIがダッカの約20キロ北のガジプールに保有する6エーカー(約2万4,300平方メートル)の土地に工場を建設する。投資金額は約10億タカ(約13億円、1タカ=約1.3円)に上る。ACI傘下のACIモーターズが技術支援を受け、ヤマハ発動機のブランドで生産する。ACIモーターズは、2020年から年間6万台の供給を目指す。今回はヤマハ発動機からの投資はなく、技術支援を行いACIモーターズが2モデルを生産する。将来的にはバングラデシュ限定のブランドを生産する可能性もあるという。
バングラデシュは直近の3年連続で7%を超す経済成長を達成し、個人所得が増加しており、二輪車市場も拡大している。登録数ベースで2018年は約40万台となった。現地メディアの報道によると、ヤマハ発動機ブランドの二輪車は、2017年は1万6,210台、2018年は2万387台が輸入販売された。一方、ホンダは2018年にアブドゥル・モネム経済特区(SEZ)に二輪車工場を設立し、年間10万台の生産を開始している。部品はインドなどからの輸入に頼るが、一部の塗装や溶接などの生産プロセスは現地化されている。
近年は首都ダッカでも多くの二輪車が見られるようになった。都市部では、ウーバーに加え、パタオやショホズといったスタートアップ企業も二輪車のライドシェアサービスを展開しており、二輪車は非常に身近な存在になりつつある。バングラデシュには高い輸入関税や港湾での処理能力の不足などによる物流時間の長期化といった課題は多いものの、二輪市場の拡大を見据えた輸送機器関連企業の進出に期待がかかる。
(安藤裕二)
(バングラデシュ)
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