トゥアス新港、第1期工事は予定どおり2021年に稼働へ

シンガポール海事港湾庁（MPA）は4月23日、トゥアス港の第1フェーズの埋め立てが4分の3完成したと発表した。これにより、2015年に開始された第1期工事は予定どおり2021年に完了する見通しとなった。

政府は、国内に5カ所あるコンテナターミナルを、最終的に同国南西部に建設中のトゥアス港に集約する計画だ。トゥアス港のオペレーションは、第1期完成後の2021年から段階的に稼働する。トゥアスに集約される5ターミナルのうち、2027年に敷地リース契約の期限を迎えるケッペル港、タンジョンパガー港、ブラニ港に位置するターミナルは、2027年までトゥアス港と並行して運営される。3つの港が閉鎖する2027年には、トゥアス港第1フェーズのコンテナ取り扱い能力は年間2,000万TEU（20フィートコンテナ換算単位）となる予定。同港全体では2040年ごろをめどに、取り扱い能力を年間6,500万TEUまで拡大する見込みだ。シンガポールの2018年通年のコンテナ取扱量は約3,660万TEUで、完成により現在の約2倍の取り扱いが可能となる。

トゥアス港はコンテナの取り扱い数量だけでなく、さまざまな先端技術を導入した次世代港となる。導入が予定される先端技術としては、コンテナを移動させるヤードクレーンの自動化や、ドローン、データ分析の活用、船舶交通管理システムなどが挙げられる。次世代船舶交通管理システムの導入により、衝突リスクを低減し、港を混雑させることなく安全かつ効率的なルートを船舶にアドバイスすることが可能となる。これら先端技術の導入で、効率化を図るだけでなく、港湾水域の安全性の向上も期待される。

（南原将志）