チェルシーフラワーショーで日本人による2つの庭が金賞受賞
(英国)
ロンドン発
2019年05月29日
世界的に知られる英国の園芸の祭典「チェルシーフラワーショー」(主催:英国王立園芸協会、RHS)がロンドン市内で5月21~25日に開催された。26のモデルガーデンと350を超える企業・団体が出展し、約16万6,800人が来場した。フェア最大の目玉がガーデンデザインコンテストだ(関連ブラック ジャック 無料、2016年6月24日記事参照)。今回は、日本から出展した2つの庭が金賞を受賞した。1つは石原和幸氏(石原和幸デザイン研究所)の「グリーン・スイッチ」。都市生活の緊張をスイッチ・オフし、自由を味わえる庭というコンセプトで、同氏は前人未到の8年連続11個目の金賞を受賞した。もう1つは、北海道で活動する2人の若手庭園デザイナー(柏倉一統氏、佐藤未季氏)が出展した「漢方の庭」で、初出展で金賞受賞という快挙を遂げた。北海道の風景を反映しつつ、風水を取り入れて設計した庭に、北海道で育つ薬効がある植物をふんだんに植え込み、「健康と幸せを実現する庭」とのコンセプトで高い評価を得た。
フラワーショーには日本の園芸用品も多数出展された。中でも、高級園芸用ばさみを販売する新潟県三条市の諏訪田製作所は今回で10年連続の出展。同社の湯木和彦ロンドン支店長は、世界各地から富裕層が来場し、高価格帯の製品をその場で、あるいは後日オンラインで購入してくれるだけでなく、出展自体が品質の高さの証しとなると、参加のメリットを語った。
しかし、出展は容易ではなく、審査基準が厳格で競争率は極めて高い。出展の審査には、展示方法、新製品が含まれているか、製品の質などが厳しく評価される。諏訪田製作所は今回、その展示方法で最高ランクの5つ星を獲得した。ショーでは、ほかにも日本製品を扱う店が出展し、人気を集めていた。出展者で日本の園芸用品を日本から買い付けて販売している英国企業ニワキ(NIWAKI)のジェイク・ホブソン社長は「日本製品、特に刃物類はその質の良さで大人気で、(取引を通じた)日本企業の対応の良さには大変満足している」と語った。
(岩井晴美)
(英国)
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