マタニティーやベビー市場のニーズが多様化
(中国)
上海発
2019年05月15日
浙江省杭州市で4月15日に開催された「2019年天猫(Tmall)ゴールデンベビー賞祭典・天猫(Tmall)親子フェスタ」に合わせ、第一財経商業データ中心(CBNData)が「Tmallマタニティー・ベビー消費市場調査報告」(以下、報告)を発表した。
報告では、オンライン市場における(1)マタニティー製品、(2)ベビーフード、(3)紙おむつ、(4)ベビー用品、(5)子供向けアパレルや靴、(6)玩具、などのマタニティーやベビー市場の消費動向を分析し、自己ケアグッズ(注1)の増加、需要の細分化、利用シーンの多様化、おしゃれでいること、幼児教育への関心の高まりという5つの特徴があることを指摘している。
(1)のマタニティー製品に関しては、1990年代以降に生まれた多くの新米パパ・ママたちは自己のケアや合理的な授乳を重視しており、マタニティーインナー・授乳服などの必須品以外にも、フェイスケアやボディケアなど産後のママ向け製品が急成長している。
(2)ベビーフードについては、消費水準が高まりつつある背景の下、栄養面だけでなく、味付けやアレルギー対策なども重視されている。高品質の粉ミルクのオンライン市場規模は拡大し続けており、特に液体ミルク、羊の粉ミルク、オーガニックミルクのような商品の販売が好調だ。また、果実をすりつぶしたオーガニック離乳食の発展も期待されている。
(3)紙おむつに関しては、オンライン販売の伸びが著しく、輸入品のシェアが拡大している。軽くて通気性が良いことに加え、夏用、夜用、スイミング用など、機能を細分化した紙おむつの販売が大幅に伸びている。また、個性的なキャラクターとコラボした商品も人気を集めているという。
(4)ベビー用品では、スキンケア・ボディケア商品の伸び率が顕著だ。これらの商品に関しては、原材料にこだわったオーガニック製品が人気を集めている。その他、アウトドア向け商品の中では、虫よけや日焼け止めが伸びている。ベビーカーでは、シートを倒せるベッド状のものや、軽さを重視したバギー、電車・バス・車の移動に便利な折り畳み式のものなど機能的な商品が伸びている。
(5)子供向けアパレルや靴をみると、アパレルに関しては、パーカーや帽子などのカジュアル用品が継続的に成長しているほか、個性的かつ中価格帯のブランドが人気であり、おしゃれで個性的な商品の潜在力が高いとみられている。靴については、多くの成人向けブランドが市場に参入し始めており、親子そろいでのコーディネートがブームを巻き起こしている。
(6)玩具では、知育的で流行性のあるものを追求する傾向にあり、「STEAM」(注2)と呼ばれる教育機能を持つ商品が伸びている。
(注1)ここでは、産後ママ向けフェイスケア、ボディケアグッズを指す。
(注2)STEAMとは、「Science」(科学)、「Technology」(技術)、「Engineering」(工学)、「Art」(芸術)、「Mathematics」(数学)の頭文字を取ったもの。
(林真彦、孟矜)
(中国)
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