トヨタAIベンチャーズが1億ドルの第2号ファンド立ち上げ

(米国)

ニューヨーク発

2019年05月20日

ベンチャーキャピタルのトヨタAIベンチャーズ(TAIV)は5月2日、1億ドルの第2号ファンドを新たに立ち上げることを発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。自動運転およびロボティックスといった分野での革新的技術や、新規事業モデルの開発を行うスタートアップ企業への投資を目的とする。

TAIVは2017年7月に、トヨタの先端技術研究所であるトヨタ・リサーチ・インスティテュート(TRI)が子会社として設立したコーポレート・ベンチャー・キャピタル(CVC)。1億ドルを投じた第1号ファンドでは、既にモビリティー分野での自動化や生活支援ロボットなどの開発を行うスタートアップ企業19社(主な投資先は表参照)への投資を実行した。第2号ファンドでは、従来のポートフォリオに加えて、ライドヘイリング(サービス車両による送迎サービス)やマイクロモビリティー(スクーターなど超小型の移動手段)などへの投資の可能性も視野に入れる(テク・チャーチ5月3日)。TAIVを率いるマネージングディレクターのジム・アドラー氏は「投資先の起業家とは共通のビジョンに基づいた連携を目指しており、継続した関係構築が重要。今回のファンド設立は、起業家支援に向けた長期的なコミットメントの表れだ」と述べている。

表 トヨタ AI ベンチャーズの主要ブラック ジャック web先

新興技術で進むCVCによるベンチャー投資

自動車業界では、技術の更新速度が速い電動化や自動化などの分野で、CVCを活用した企業投資への取り組みが進む。複数の投資家による、キャピタルゲインを目的としたベンチャーキャピタル(VC)とは異なり、CVCでは、投資元である企業が、自社の資金による、自社の事業分野との相乗効果を生む可能性のあるベンチャー企業への投資を通して、日々更新される先端技術や市場ブラック ジャック webをいち早く収集し、比較的低リスクと低コストで新規事業の立ち上げを行えるなど、本業を成長させられるメリットがある。また、「次世代技術における明日のリーダーを発見」(ギル・プラット氏、TRIチーフエグゼクティブオフィサー)することにもつながる。こうしたことから、ゼネラルモーターズ(GM ベンチャー)、BMW(BMW I ベンチャーズ)、ルノー・日産・三菱自動車連合(アライアンス・ベンチャーズ)といった完成車メーカーや、デンソーなどのサプライヤーなどが、CVCによるベンチャー企業への投資を展開している。

(大原典子)

(米国)

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