GAFA課税を導入、プラットフォーマーの規制強化も
(フランス)
パリ発
2019年05月28日
フランスで米国IT大手グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン・ドット・コム(以下、GAFA)への課税を可能にする「デジタル・サービスへの課税創設」法案が5月21日に上院の審議を通過した。フランス国内での年間売上高が2,500万ユーロ、かつ世界売上高が7億5,000万ユーロ以上の企業を対象に、フランス国内の売上高に3%課税するもので、4月10日に審議を開始していた(関連ブラック ジャック サイト)。
政府は、GAFA課税の独自導入が国際交渉のてこ入れにつながることを期待する。ブリュノ・ルメール経済・財務相は同日、「議会がIT巨大企業への課税案を採択したことで、フランスは税負担の公平性や21世紀の国際税制の構築に向けた強いメッセージを発信した」とする一方、「(現在協議中の)OECD加盟国間で課税への合意が得られれば、国内のGAFA課税を即時廃止する」との意向を再度、確認した。
他方、マクロン大統領が力を入れるインターネットの有害コンテンツ規制について、プラットフォーマーの責任や義務を重くする方向で議論が進む。3月20日に議会に提出された「インターネット上の憎悪と戦うための法案」には、プラットフォーマーに対し、人種や宗教、性別、性的指向、障害を理由とする差別や憎悪感情を引き起こすコンテンツの掲載が報告されてから24時間以内に削除することを義務付け、これを怠った場合、世界年間売上高の最大4%の罰金を科すなどの条項が盛り込まれている。この法案は7月に国会審議にかけられる予定だ。
フランスはソーシャルネットワーク規制のモデル作りで主導権を握りたい考えだ。マクロン大統領は5月10日、米交流サイト大手フェイスブックのマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)と会談、同社との協力で1年がかりでまとめたソーシャルネットワーク規制に関する報告書を公表した。会談後、ザッカーバーグCEOは「施行される規制の枠組みについて楽観している。この規制がEU全体のモデルになることを期待する」と発言した。報告書では、プラットフォーマーの責任強化、独立行政機関によるプラットフォーマーの監視などが提案されている。
(山崎あき)
(フランス)
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