急拡大するトルコの電子商取引
(トルコ)
イスタンブール発
2019年05月31日
トルコの電子商取引額は2018年に前年比1.4%増の約60億ドルとなり、総人口8,244万のうち、3,930万人(前年比2.6%増)が電子商取引(EC)を利用している。急速な利用の拡大を受け、政府および民間企業は電子商取引を含むデジタル貿易にかかわる環境整備を急務としている。
急成長を続けるデジタル市場
デジタル2019トルコ(Digital 2019 Turkey)によると、トルコの電子商取引額は、2017年に前年比15%増と高い成長率を記録した後、景気に鈍化傾向が見えた2018年も1.4%増の59億5,500万ドルと伸び続けており、小売市場におけるECの浸透度も39%から48%に拡大している。こうした中、2011年のイーベイ(eBay)を皮切りに、2015年のデリバリーヒーロー、2018年のアリババ(Alibaba)など外資によるトルコEC企業に対する大型M&Aが相次いだ。
この背景には、トルコでインターネットとモバイルの普及率が年々高まっていることがある。2018年にはインターネットユーザーの人口に占める浸透率が72%の5,936万人、モバイルユーザーは93%の7,634万人となり、極めて多くの人々が利用している。また、クレジットカードの発行枚数は2018年に6,548万枚(インターバンクカードセンター)に達している。配送・運送システムも従来に比べスムーズになっていることもあり、トルコのモバイルユーザーは世界でも有数のeコマースやネットバンキングの利用者ともいわれている。
電子商取引は巨大なエコシステムの1つ
トルコ工業ビジネス協会(TÜSİAD)はECを巨大なエコシステムの1つと見なし、物流、決済システムなどの技術インフラや関連する法的枠組みを官民一体となって早急に策定、開発する必要があるとしている。
さらに、デジタル経済の発展にはブラック ジャック 遊び方への自由なアクセスの確保が重要とし、政府による行き過ぎた規制の導入にはやんわりとくぎを刺している。また、トルコの消費者サイドにも、デジタル・リテラシーの向上を呼び掛けるなど、行き過ぎたデジタル消費への懸念も示している。
(中島敏博)
(トルコ)
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