欧州議会選挙、2大政党が落ち込む中、緑の党が躍進
(ドイツ、EU)
ベルリン発
2019年05月28日
ドイツで5月26日に投票された欧州議会選挙について、連邦選挙管理局が5月27日午前3時50分現在で発表した暫定結果によると、キリスト教民主同盟(CDU)が得票率22.6%(2014年の前回選挙:30.0%)で首位となり、23議席を獲得したが、前回より6議席減、環境政党の緑の党が20.5%(10.7%)で21議席を獲得、前回の11議席から大きく伸ばした(表参照)。
他の主要政党の得票率は、中道左派の社会民主党(SPD)が15.8%(2014年:27.3%)、右派ポピュリスト政党のドイツのための選択肢(AfD)が11.0%(7.1%)、CDUの地域姉妹政党のキリスト教社会同盟(CSU)が6.3%(5.3%)、左派党5.5%(7.4%)、リベラルの自由民主党(FDP)が5.4%(3.4%)となった。
国政を担当するCDU/CSUは得票率が3割を切り、連立与党であるSPDは得票率・獲得議席とも、半分近く減らす歴史的大敗を喫し、第3党に転落した。ドイツのための選択肢は得票を伸ばしたが、2017年の連邦議会選挙の得票率(12.6%)には及ばず、緑の党の躍進もあり、第4党にとどまった。
CDU事務局長のポール・チミアク氏は5月27日、公共放送ARDの取材に対し、「わが党の政策について有権者を納得させられなかった。有権者とのコミュニケーションにも問題があった」と発言。SPDのラース・クリングバイル書記長も、「社会的連帯を保つための政策で有権者の信を得ることができなかった。環境・気候保護やデジタル化といった分野でも、新たな政策を確立せねばならない」と敗因を語った。
EU]懐疑派が躍進するとの事前予測や、それを受けた親EU派のデモなどもあって、ドイツでは今回の欧州議会選は関心を集め、投票率は前回の48.1%を大きく上回る61.4%に達した。
(ヴェンケ・リンダート、油井原詩菜子)
(ドイツ、EU)
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