米大手アクセラレーターPlug and Play、イタリア初進出
(イタリア)
ミラノ発
2019年04月23日
米国シリコンバレーに本社を置く国際的な大手アクセラレーター(注)のPlug and Playがイタリアに初進出、拠点を開設したことが4月15日に発表された。進出先はミラノだ。
スーパーマーケット大手のエッセルンガ、コーヒーなど飲料大手ラバッツア、金融大手ウニクレディトなどのイタリア大手企業が協力し、食・飲料産業やフィンテックの分野でプログラムを提供する。ウニクレディトはイタリア以外の欧州でもPlug and Playのフィンテック支援プログラムに参画する。
エッセルンガのカスタマーリレーション部長のロベルト・セルバ氏は、同社がバーコードやeコマースの導入をイタリア企業としては早くから促進してきたことに言及し、Plug and Playへの協力を通じ、スタートアップ企業との協業により、同社にとっては革新的な技術導入、スタートアップに対しては新たな顧客チャネルの提供というウィンウィンの関係構築に期待を表明した。ウニクレディトの最高共同執行責任者(Co-COO)のラニエリ・デ・マルキス氏も、顧客は金融取引でかつてないレベルでシンプルな操作を要求しており、これを実現するためには革新的技術が中核的な役割を果たしていくとして、Plug and Playとの協力に期待を示す。
イタリアにおけるベンチャーキャピタル(投資家)の投資額は欧州の中でも低水準だ。政府もこの事態を問題視し、2019年の政府予算にはこれを高める施策も導入された。Plug and Playのような国際的にネットワークを持つ大手アクセラレーターの進出により、イタリアでのスタートアップ創出や成長のための事業環境の改善が期待される。
(注)創業初期の事業立ち上げを加速・支援する組織。
(山内正史)
(イタリア)
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