中南米最大のオンライン旅行会社が同業他社を買収
(アルゼンチン、チリ)
ブエノスアイレス発
2019年04月22日
中南米最大のオンライン旅行会社のデスペガル・ドット・コム(以下、デスペガル)は4月15日、チリの金融グループであるファラベラ・フィナンシエロと長期にわたる戦略連携に入るとし、その一環として同グループの旅行会社ビアヘス・ファラベラを2,700万ドルで買収することを発表した。
デスペガルは、アルゼンチン人によるスタートアップ企業として、1999年に設立。その後、同国の主要ユニコーン企業として急成長し、2017年にはニューヨーク証券取引所(NYSE)にも上場した。現在、中南米20カ国でビジネスを展開、同社のサイトを通じて1,800万人の顧客がサービスを利用する。
ファラベラ・フィナンシエロは、チリの大手流通企業ファラベラの金融グループ。CMRファラベラ(クレジットカード)、バンコ・ファラベラ(銀行)、セグロス・ファラベラ(保険)、ビアヘス・ファラベラ(旅行)の4社から構成されている。今回は、旅行部門がデスペガルに売却されるが、ブランド名は継続される。同部門の2018年の売上高は5,000万ドルで、そのうちの65%はパッケージ旅行となっている。
デスペガルとしては、今回の買収を通じて旅行商品販売のオムニチャンネル化(オンライン、コールセンター、実店舗)と競争力の強化を図るとされる。また、CMRファラベラが展開する自社のポイント制度を、デスペガルも相互共有するといった相乗効果も見込まれている。
(紀井寿雄)
(アルゼンチン、チリ)
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