政府当局が廃プラスチックなど積載コンテナの滞留解消に着手

(ベトナム)

ホーチミン発

2019年04月19日

ベトナム天然資源環境省は3月8日、廃棄物輸入のために必要な証明書発行に係る検査を、同省の認定機関が実施するように変更する通達(01/2019/TT-BTNMT)を出し、同日施行した。ホーチミン市税関局へのヒアリングによると、これまで、検査実施主体の地方省天然資源環境局の能力不足のため手続きが遅延していたが、同通達の施行後、ホーチミン市ではサイゴン・コンストラクション・コーポレーション(Saigon Construction Corporation)およびビナコントロール・グループ・コーポレーション(Vinacontrol Group Corporation)を認定機関とし、証明書発行の体制を強化したことで、遅延問題の解消が期待されている。

また、港に滞留している廃プラスチックなどの積載コンテナの搬出を促す取り組みも開始された。「サイゴン・タイムズ」紙(電子版4月1日)によると、ホーチミン市のカットライ港には3,800TEU(20フィートコンテナ換算単位)以上の同コンテナが滞留し(3月20日時点)、港の運用に影響を及ぼしていることから、サイゴン新港公社は、2018年末までに同港に持ち込まれた廃プラスチックなどの廃棄物積載コンテナを対象に、2019年4月30日までに搬出する場合、保管料を80%値引きすることを発表した。

これらの取り組みに加え、税関オンラインニュース(4月7日)によると、2019年1月末から2月にかけて、同問題への対応を含む国会決議(09/NQ-CP)および各文書(1036/VPCP-TH、406/TCHQ-GSQL)が出され、全国の廃棄物積載コンテナ数は前月比4,379TEU減の1万7,216TEU(3月22日時点)と減少し始めている。

2019年は廃棄物輸入の増加を予想

ベトナムの2018年廃プラスチック輸入量は、前期に27万4,700トンだったが、2018年7月以降、税関総局が同貨物の検査強化を指示した結果、後期は10万7,100トンに抑えられた(同オンラインニュース1月15日)。しかし、税関総局は2019年には、ベトナムへの廃プラスチックなどの廃棄物の輸入が増加すると予想する。2019年に入り、中国が8種類の廃棄物を追加的に輸入禁止にしたほか、これまでベトナム以上に輸入していたマレーシアでも、ほとんどの種類の廃棄物の輸入を制限する見込みなためだ。

周辺国が輸入禁止などの対応を取る中、ベトナムは環境保護に留意しながらも、製造における原材料需要を満たすため廃棄物輸入を例外的に認めていると同時に、首相指示27CT-TTg(2018年9月18日付)にあるとおり、証明書発行を含む管理体制も強化していく方針だ。

(小林亜紀、ダン・ティ・ゴック・スオン)

(ベトナム)

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