スタートアップの欧州大陸大会、プラハで開催

(チェコ)

プラハ発

2019年04月18日

プラハ市のコングレス・センターで4月10日、「スタートアップ・ワールド・カップ&サミット(Startup World Cup & Summit)」が開催された。スタートアップインキュベーターのUP21と、投資ファンドのエアー・ベンチャーズ(Air Ventures)が2017年から毎年開催しているもので、シリコンバレーのベンチャー・キャピタル・ファンドであるフェノックス(Fenox)が開催するスタートアップ世界大会の一環として位置付けられている。世界各地で選ばれたトップのスタートアップは、世界大会への出場資格を得ることができる。欧州大陸大会がプラハで開催されたのは初めて。

イベントでは、スタートアップ起業家、投資家、メンターなどエコシステム関係者のネットワーキングによる関係構築とオンライン ブラック ジャック交換の場も提供され、参加者同士が面談リクエストできるイベント専用アプリに参加者総勢1,191人が登録し、企業ブースコーナー、メンタリングやネットワーキングのゾーンなどで自由に意見交換が行われた。

写真 会場風景。下の階は企業ブースが並ぶSTARTUP EXPO、上の階は自由に商談に利用できるネットワーキングゾーン(ジェトロ撮影)

会場風景。下の階は企業ブースが並ぶSTARTUP EXPO、上の階は自由に商談に利用できるネットワーキングゾーン(ジェトロ撮影)

前日には、中・東欧のスタートアップ21社が参加し、V4(ビシェグラードと呼ばれる地域協力機構の4カ国のチェコ、ハンガリー、ポーランド、スロバキア)地域大会が開かれ、チェコのモーションラブ(motionlab)が優勝した。同社は個々の顧客向けにカスタマイズされたビデオ広告作成サービスを提供しており、チェコ政府の支援を受けてニューヨークでの3カ月間のアクセレータープログラムを卒業したスアートアップだ。

このモーションラブも含め、欧州の12地域大会で計約2,000社のスタートアップから勝ち残った12社が参加したプラハでの欧州大陸大会では、スウェーデンのミンブリー(MIMBLY)が優勝し、優勝賞金の50万ドルを獲得した。同社は家庭の洗濯機にフィルターを設置することで排水量を50~70%節水すると同時に、マイクロプラスチックをろ過することで、水質汚染の防止にもつながるサービスを提供する。

欧州大陸大会に出場したスタートアップ各社は5月17日に米国・シリコンバレーで開かれる世界大会に参加する。優勝者に賞金100万ドルが授与される。

写真 欧州大陸大会の様子(ジェトロ撮影)

欧州大陸大会の様子(ジェトロ撮影)

(木村玲子、マルティン・シュトゥルマ)

(チェコ)

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