ラオスータイ間でQRコードの国際決済がスタート
(ラオス、タイ)
ビエンチャン発
2019年04月25日
ラオス中央銀行とタイ中央銀行は4月4日、タイ・チェンライで開催された第5回ASEAN財務相会合で、金融イノベーションと決済システムの分野における協力覚書(MOU)に署名した。また、ラオス最大の商業銀行であるラオス外国商業銀行(BCEL)は4月5日、同会合の併設イベントにおいて、タイのタナチャート銀行との間で、QRコードを使用した国際決済(Cross Border QR Payment)サービスの利用を開始したと発表した。
ラオス国内のBCELの顧客は、タイ国内での商品やサービスの購入時に、モバイルバンキングアプリ「BCEL ONE」でQRコードをスキャンすれば、国際決済が即時可能となる。タイに旅行や食品などの日用品の買い出し、医療サービスを受けにいくラオス人は多く、決済の利便性が高まる。タイのタナチャート銀行の利用者も同様に、ラオス国内でのQRコード決済が可能となる。
ラオスではBCEL ONEのほかにも、ラオベト銀行の「Lao Viet Bank QR Pay」、ラオス開発銀行の「LDB Pay」、アクレダ銀行の「ThanChai」、ジョイントデベロップメント銀行の「Yes Pay」といった、QRコードによる決済システムがある。また、カシコン銀行による「QR K Bank」や、ジョイントデベロップメント銀行による「アリペイ(支付宝)」と「ウィーチャットペイ(微信支付)」の試験運用も行われている。さらに電子マネーでは、「Kapao E-Wallet」や「U-Money」の試験運用が開始されており、電子決済の普及に期待がかかる。
なお同イベントで、クルンシー銀行は「クルンシー・ブロックチェーン・インターレジャー」(リアルタイム国際ビジネス資金送金)を発表した。自社が開発したブロックチェーン技術を用いた、ビジネス向けシステムで、ラオスからタイへの即時送金を可能にする。同システムは、タイ中央銀行による規制のサンドボックス下で試験運用が実施されている段階であるが、コストや為替変動リスクを減らすことにつながるとしている。
(山田健一郎)
(ラオス、タイ)
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