中国との合弁で食肉加工コンビナートの建設進む
(カザフスタン)
タシケント発
2019年04月26日
カザフスタン東部、中国国境に近いアルマトイ州タルディコルガン市(図参照)の経済特区で、国内最大となる食肉加工コンビナートの建設が進んでいる。2019年9月の操業開始を目指す。中国の科学技術企業、龍源公司(北京)とカザフスタンの食肉加工メーカー「ドスジェトィス」によって設立された合弁会社の事業で、敷地面積7ヘクタール、投資総額は約2,654万ドルに達する。年間生産量は牛肉2万トン、羊肉1万トンになる見込みで、製品は中国各地に輸出される(インターネットサイト「キャピタル」4月5日など)。
このコンビナートでは食肉加工だけでなく、地域の農家や畜産業者と畜産クラスターを構築し、飼料の栽培や家畜の飼育、食肉加工を一貫して行うことで、地域産業の活性化も目標にしている。コンビナートの従業員は地元のカザフ人だけを雇用し、地域の雇用促進にも貢献するほか、CSR(企業の社会的責任)活動の一環として、タルディコルガン市に保育園の建設も計画している。
カザフスタンの食肉輸出は急増している。国際貿易センター(ITC)トレードマップによると、羊肉(HSコード0204)の輸出量は、2016年の306トンから2017年には837トン、2018年は3,028トンに達した。対中輸出に関しては、2017年まで実績はなかったが、2018年に初めて50トンを記録した。カザフスタン農業省動物検疫監督委員会副委員長トゥルスン・カブデゥルダノフ氏によると、既に国内の食肉加工企業5社が中国政府から輸入許可を得ており、新しい食肉加工コンビナートが操業開始すれば、輸出量は今後順調に拡大するとみられる。
(増島繁延)
(カザフスタン)
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