アトスとグーグル、パリ郊外にAIラボ開設
(フランス)
パリ発
2019年04月11日
フランスITコンサルティング企業アトスは4月4日、米グーグル・クラウドと共同で、パリ西部郊外のブゾン市に、人工知能(AI)に特化したイノベーション・ラボを開設した。AIラボは、アトスの顧客企業や政府機関が直面する具体的な課題について、AIを使った新しいソリューションをグーグル・クラウドのエンジニアやコンサルタントとの共同ワークショップを通じて策定、試行する場となる。アトスとグーグル・クラウドは同ラボを通じ、「フランスや欧州の企業によるAIをベースにした新しいビジネスモデルの構築を後押しする」(グーグル・クラウドのエリック・アダッド仏担当マネジャー)としている。
アトスのティエリ・ブルトン会長は「IT分野でフランスが重要な役割を果たし続けるために、AIと新技術に多額の投資を行わなければならない。AIラボを通じ、企業のデータ処理に欧州の規制枠組みに応じた最高のセキュリティーと最適なテクノロジーを提供することで、われわれの顧客企業がAIを容易に取り入れることができるようにする」と説明した。
アトスとグーグル・クラウドは2018年4月、安全性の高いハイブリッド・クラウド・ソリューション、データ分析および機械学習、デジタルワークプレイスの開発加速について世界レベルで提携し、英国と米国、フランスの3カ国にAIラボを設置する計画を発表していた。今回のAIラボ開設は2018年10月のロンドンAIラボに続き、2拠点目となる。米国ではテキサス州ダラスに3拠点目を開設予定だ。
AIラボの開設式にはブリュノ・ルメール経済・財務相が出席、マクロン政権が国を挙げてAI促進に取り組んでいることを印象付けた。政府はマクロン大統領が2018年3月に発表した総額15億ユーロの国家AI戦略に基づき、この分野の企業支援、AI人材の育成やエコシステムの整備などを進めている。
(山崎あき)
(フランス)
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