AI技術導入に積極的な取り組み、さらなる人材の集積に期待

(ハンガリー)

ブダペスト発

2019年03月27日

ハンガリー国内の人工知能(AI)開発の推進を始めた技術・革新省は2018年10月、IT業界団体や大学、商工会議所、IT関連の大手・中小企業78社で構成した産学官連携組織「AI連合(コアリション)」を結成し、国家的なAI発展に向けた方向性や枠組みの策定、ブラック ジャック 遊び方交換のためのフォーラムを設置するほか、ハンガリーの国家AI戦略策定作業への参加も期待されている。同連合は、ハンガリーをAIの開発と活用で欧州のリーダーとすることなどを目標としており、2019年2月27日にはハンガリー最古の大学で2番目に大きいデブレツェン大学が加入すると発表した。3月12日時点での構成メンバーは161社で、設立時の2倍以上となっている。

ハンガリーでは、ドイツの大手製造業のボッシュ、コンチネンタルなどがAIに積極的に取り組んでいる。自動車部品製造大手のコンチネンタルは2月21日、ブダペストにAI開発センター(マシーンラーニング)を開設した。自動運転のためのシステム開発などが目的だ。2019年中に100人のエンジニアを雇用し、同社グループ内でのイノベーションリーダーとなることが期待されている。同社は、ハンガリーにAI開発に特化した研究開発拠点を設置した最初の外資系企業となった。

国内には現在のところ、AIに特化したベンチャーキャピタル(VC)やインキュベータは存在しないが、政府系、民間の企業や組織が、既存のビジネスサービスにAIを盛り込むかたちでサポートしている。例えば、民間の大手VCポートフォリオン(地元最大手銀行OTP傘下)は、シーズ(企業の持つ新しい技術やアイデア)探しや育成に100億フォリント(約39億円、1フォリント=約0.39円)を費やしたとされる。成功例は自動運転技術開発のエーアイモーティブで、2017年にプジョーなどのブランドを持つグループPSAとの技術提携を発表した。

英国スタートアップコンサルタントの「スタートアップス外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」が2019年1月末、英国のEU離脱(ブレグジット)後に、スタートアップのビジネス拠点として注目される欧州の都市(30カ国の80主要都市、英国とアイルランドを除く)のランキングを発表した。1位はハンガリーの首都ブダペストで、低い法人税率、迅速なビジネス手続き、選択肢の多い食事・レストラン、低い生活コストなどが理由だ。2位以下は、プラハ(チェコ)、リスボン(ポルトガル)、ワルシャワ(ポーランド)、ポルト(ポルトガル)、クラコフ(ポーランド)となり、中・東欧の都市が高い評価を得た。

(バラジ・ラウラ、本田雅英)

(ハンガリー)

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