VR(仮想現実)などの技術が観光産業でも関心集める
(ドイツ)
ベルリン発
2019年03月12日
2019年3月6~10日にドイツの首都ベルリンで、国際観光見本市「ITBベルリン」が開催された。
181の国と地域から約1万社の企業が出展した。今回は、マレーシアが公式パートナー国だった。新たに見本市のインド展開も発表され、2020年4月のムンバイでの「ITBインド2020」開催が公表された。
今回の「ITBベルリン」では、バーチャルリアリティー(VR、仮想現実)などの新技術によるイノベーションに焦点が当てられた。見本市主催者のメッセベルリン最高経営責任者(CEO)、クリスティアン・ゲーケ博士は「ITBベルリンは、デジタル時代でも、伝統的なフェイス・トゥ・フェイスの見本市の形式が従来よりも成功する可能性を示した。新しい技術や業界の動向を速やかに把握し、既存の形態をそれに合わせて変化させることで実現できる」と述べた。
また、環境に対する持続可能性、観光客の過剰な集中によるオーバーツーリズムへの懸念などが主要トピックだった。ITBベルリンが調査会社と実施した調査によると、69%の国際観光客が環境保護を非常に重要なトピックとして考えているという。調査対象者の54%が、過去に訪れた目的地において、多数の観光客にいら立ち、または不満を感じたと答えた。観光客の大部分は、観光客が少ない目的地を求めて、より多くを支払う用意があるとの結果が示された。ドイツの観光客の76%が、1週間の休暇に対し100~300ユーロを追加で支払うことをいとわず、うち20%は500ユーロまでさらに追加で支払う用意があると回答した。
国際観光振興機構(JNTO、通称:日本政府観光局)など、日本からの出展者のブースも盛況だった。2018年は、相次ぐ自然災害の影響を受けつつも、訪日外国人旅行者数が初めて3,000万人を突破した。2020年の訪日外国人旅行者数4,000万人という目標を掲げる中、2019年はラグビー・ワールドカップ2019の日本開催もあり、日本への関心がますます高まる1年となることが予想される。
(増田仁)
(ドイツ)
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