EPA特恵関税の適用に関する財務大臣規程を一部改正
(インドネシア)
ジャカルタ発
2019年03月01日
インドネシア財務省は2月21日、財務大臣規程2019年第11号を施行し、国際協定または規約に基づく輸入品にかかる関税率の適用手順を一部改正した。主にインドネシアとパレスチナの貿易円滑化覚書や、ASEAN-オーストラリア・ニュージーランド自由貿易協定改正議定書の批准に伴う改正だ。
これにより、日本・インドネシア経済連携協定(JIEPA)や日本・ASEAN経済連携協定(AJCEP)における原産地規則は改正されていないが、法令上は原産地証明書(COO)の電子的な提出が可能になった。
2017年末に公布された財務大臣規程2017年第229号においては、EPA特恵税率の適用を受けたい輸入者にはCOOまたはインボイス原本および通関関連書類を税関に提出する義務があり、その提出期限は輸入者の通関ステータスに応じて表1のとおり定められている。
また、保税蔵置場(TPB)運営者/事業者や保税物流センター(PLB)運営者/事業者にも、表2のとおり定められた期限内にCOOまたはインボイス原本および通関関連書類を税関に提出する義務が課されている(表2参照)。
例えば、通関ステータスが「レッド」や「イエロー」の輸入者が7日/24時間対応の税関事務所に必要書類を提出する場合、土日や祝祭日に関係なく、翌日12時(正午)までというタイトな期限内での対応を余儀なくされている。
今般の財務大臣規程の改正で、COO発給機関が税関事務所へ電子的にCOOを提出することができる旨と、輸入者やTPB運営者/事業者、PLB運営者/事業者(以下、「輸入者等」)が税関に必要書類を提出する義務を免除する旨が定められたが(第10A条)、電子的にCOOを提出する具体的な手順などは定められておらず、この規定が実務的に機能するか否かは今後、確認が必要だ。
なお、電子的にCOOを提出するシステムが用意されていない場合や、障害またはエラーが発生した場合、税関は、「輸入者等」に対し、必要書類の提出を要請することができる旨も今般、規定された(第11条)。税関からかかる要請を受けた場合、「輸入者等」は翌日12時まで(7日/24時間対応でない事務所の場合は、翌営業日の12時まで)に提出を義務付けられるので、注意が必要だ。
- 参考資料1:財務大臣規程2019年第11号(原文)
- 参考資料2-1:財務大臣規程2019年第11号の仮訳(本文)
- 参考資料2-2:財務大臣規程2019年第11号の仮訳(添付書類)
- 参考資料3:財務大臣規程2017年第229号(原文)
- 参考資料4:財務大臣規程2017年第229号の仮訳
(佐々木新平)
(インドネシア)
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