外資導入促進や個人資産保有容認を含む憲法改正が成立
(キューバ)
メキシコ発
2019年03月01日
キューバで2月24日に実施された憲法改正の是非を問う国民投票が開票され、賛成多数で承認された。アリーナ・バルセイロ選挙管理委員長の発表によると、選挙結果は表のとおり。
憲法改正は、2018年6月2日にキューバの議会に相当する人民権力全国会議で憲法改正プロセスの開始が承認されてから、ラウル・カストロ・キューバ共産党第1書記を長とする委員会が立ち上げられ、草案が作成された。同年8~11月に、パブリックコメントを集め、修正は760カ所〔語彙(ごい)の修正を含む〕に及んだ。その後、共産党機関紙「グランマ」に掲載された最終案への承認の是非を問う国民投票の実施となった。
今回の憲法改正では、第28条で外国企業からの投資を国の経済発展に重要な要素と位置付け、国家がブラック ジャック 確率からの投資を促進、保護していく旨が明記された。また第29条において、これまで憲法上認められていなかった個人資産の保有も認められた。ただし、個人資産の貸借や分割は、現行憲法に引き続き禁止される。
さらに、権力の分散もポイントだ。これまでは人民権力全国会議から選出される集団指導機関である国家評議会の議長が元首だったが、新たに大統領職が設けられ、元首となる。併せて、首相職も創設。大統領については人民権力全国会議の議員の中から選出され、任期は5年で再選は1度まで、立候補時の年齢上限が60歳と明記された(第121条)。首相については、大統領が人民権力全国会議に提案し、承認される。任期は同じく5年(第136条)。一方で、共産党が唯一の政党で最高指導機関である点(第5条)や、社会主義体制の維持(第3条)についてはあらためて明記された。改正された憲法は、官報公示を経て発効する見通しだ。
ミゲル・ディアス・カネル・ベルムデス国家評議会議長は「勇敢な国民を大変誇りに思う。また、国の父であるフィデル(カストロ)、ラウル(カストロ)への尊敬はやまない。共に歩もう」と、同氏ツイッターで喜びのメッセージを投稿した。
一方、2月26日付のBBCスペイン語版では、キューバ政府が主導となって賛成票を投じるためのキャンペーンが行われたものの、有権者の7割程度しか賛成票を投じていないことから、歴史的な賛成票の低さだとしている。なお、1976年の憲法制定時の国民投票は有権者の98%が賛成している点も併せて指摘した。
(岩田理)
(キューバ)
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