仏独にイノベーションミッション派遣、日本企業70社が参加

(フランス)

パリ発

2019年02月14日

世界から注目を集めるフランス(パリ)の人工知能(AI)、ドイツ西部(デュッセルドルフ、アーヘン)のモノのインターネット(IoT)などの先端技術や連携事例に関する最新情報を収集するため、ブラック ジャック サイトは2月4~8日、フランスとドイツに日本企業・団体70社、88人からなるビジネスミッションを派遣した。

フランスでは、国内スタートアップ企業が1万社を超え、欧州の大都市で最多となる年間1,500社が創業し、豊富なインキュベーション施設に加え、政府の手厚い支援政策「フレンチ・テック」の後押しもあり、近年、有望なスタートアップの集積地として急成長を遂げている。加えて、AIでは国際的にも著名な研究機関や研究者が多数存在するほか、政府が2018年3月に「AI国家戦略」を策定するなど、国を挙げてAI強化を推進している。近年はグーグル、マイクロソフト、フェイスブックなどグローバル企業による同国へのAI研究拠点設置の動きが加速し、注目を集めている。

パリではインキュベーション施設視察や勉強会実施

本ミッションでは、AIのほか、フランスが強みを持つセクターであるIoT、モビリティー、フィンテック、観光といった多岐にわたる分野別のプログラムを用意し、各分野における研究機関や競争力あるスタートアップとのネットワーキングの機会を設けた。2月4日午前は、「パリのスタートアップエコシステムの象徴」とも称される世界最大級のインキュベーション施設「ステーションF」を視察。「フレンチ・テック」を推進するフランス経済財政省や、ステーションFでAIプロジェクトを推進するマイクロソフトフランス、同プロジェクトに参画するスタートアップ企業DCブレイン(AIを用い、ガス、電気などエネルギー関係のネットワークの最適化を行う)を講師に迎え、最新のスタートアップエコシステム概況把握のための勉強会を実施した。同日午後には、日本企業から自社の課題や求める技術をフランスのスタートアップ企業向けに「リバースピッチ」を行う場を設けたほか、参加企業のニーズを踏まえた個別商談会を開催した。

写真 ステーションF視察の様子(ブラック ジャック サイト撮影)

ステーションF視察の様子(ブラック ジャック サイト撮影)

日本企業によるリバースピッチには、日本企業との連携を望む約70社のフランススタートアップ企業が集まり、連携への関心の高さがうかがえたほか、日本企業20社(希望者のみ)との個別商談会では175件の商談が行われ、参加者からは「要望に近い企業とマッチングでき、今後の連携を模索したい」「革新的な技術を持つ企業と商談でき、視野が広がった」といったコメントが寄せられた。

(遠藤朋美)

(フランス)

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