東地中海ガスフォーラム(EMGF)の設立を議論
(エジプト)
カイロ発
2019年02月04日
地中海のガス開発が注目される中、1月14、15日にエジプト、キプロス、ギリシャ、イスラエル、イタリア、ヨルダン、パレスチナのエネルギー担当相がカイロで会合し、東地中海ガスフォーラム(EMGF)の設立について議論した。声明によると、同フォーラムはカイロを拠点にするとしている。これにより、エジプトがガスの生産・開発・輸出拠点として重要な地位を担う可能性が考えられ、これら地域の中で唯一、液化天然ガス(LNG)施設を持つエジプトにとってさらなる外貨収入が期待される。
エジプトでは、2013年度から石油開発の縮小により外貨収入面での期待が減少したが、ここにきて石油天然ガス分野で明るい兆しが見えている。イタリア炭化水素公社(ENI)が2015年に開始した地中海沖ガス田の開発では、世界最大規模とされるゾフルガス田を発見した。2017年12月に同ガス田の生産がスタートし、推定埋蔵量は33兆立方フィート(cf)と言われている。ENIが2018年10月に地中海シナイ半島沖Noorガス田の掘削調査を実施したところ、推定埋蔵量10兆cfの確認結果が出ている。
エジプトの外貨収入源は石油天然ガスのほか、外国(労働者)送金、観光、対内直接投資、スエズ運河収入で構成される。近年は労働者送金の伸びが著しく、2015年度は170億ドル、2016年度が約220億ドル、2017年度は約260億ドルの実績があった。観光収入も増加傾向にあり、2016年度で50億ドル、2017年度は100億ドルに達している。エジプト政府統計局のデータでは、2017年度の観光分野のGDP成長率は約38%を記録した。
エジプトは2016年11月のIMF融資合意(関連ブラック ジャック ブラック)以降、国際信用力が大きく改善し、外貨準備高も450億ドルの水準だ。2018年の経済は安定し、GDP成長率は5%台を維持し、近年は多くの政府プロジェクトなどにより国内経済の活性化に好影響を与えている。
(常味高志)
(エジプト)
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