INSEAD国際人材競争力インデックスでスイスが連続1位に
(スイス)
ジュネーブ発
2019年02月27日
フランスのパリ近郊、シンガポール、アラブ首長国連邦のアブダビにキャンパスを持つ経営大学院INSEADは、2019年国際人材競争力インデックス(GTCI)を発表(1月21日)した。GTCIは各国、都市の人材競争力を比較するもので、2013年に開始されてから6回目となる。今回の2019年版では、起業の支援、育成環境、スタートアップの成長により、他の産業へいかに波及効果をもたらしたかに重点を置いた評価が行われた。
国別では、スイスが6回連続の1位で、2位がシンガポール、3位が米国となっている(表1参照)。都市別では、1位がワシントン、2位コペンハーゲン、3位オスロ、4位ウィーン、5位にチューリヒがランクインした(表2参照)。前年版のインデックスではチューリヒが1位だったが、ランクを4つ落とす結果となった。
日本は、国別でフランスに次ぐ22位で、前年から順位を2つ落としている。これはさまざまな要因によるものとみられるが、報告書中で1人当たりGDPとGTCIの相関関係が指摘されているように、1人当たりGDPがこの10年伸び悩んでいる日本は、他の先進国より低い評価を受ける環境要因があるとみられる。
評価方法は、125カ国114都市を対象に、人材育成に向けたインプットに関して4項目(市場環境、魅力度、育成、保持)、育成された人材のアウトプットに関して2項目(職業訓練スキル、グローバル・スキル)に属するさまざまなパラメーターを加重平均するものだ。今回、スイスは保持と職業訓練スキルの項目の評価が1位、市場環境と育成で2位で、市場環境と魅力度で第1位だったシンガポール、育成で1位だった米国を上回る評価となった。スイスは、大学以外の専門大学や職業訓練学校が充実しており、高等学校段階から総合大学と専門大学などへの進学が分化した人材育成システムを要す。職業訓練スキルの点では、それらが高く評価されたものと推測される。
(和田恭)
(スイス)
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