EDB、スマートモビリティーや先端製造など5つを優先分野に
(シンガポール)
シンガポール発
2019年02月21日
シンガポール経済開発庁(EDB)は2月14日、2019年に同庁が取り組む5つの優先分野を発表した。5つの優先分野は、(1)ASEAN進出の拠点としての同国の位置付けの強化、(2)デジタルエコノミー推進のための先端製造分野での企業誘致、(3)非製造業分野でもデジタル一大拠点を目指す、(4)企業のイノベーション拠点の支援強化、(5)自動運転車などスマートモビリティーで主導的な役割を担うこと、とされた。
EDBは発表の中で、米中貿易紛争など先行きの不透明感が深まる中、「シンガポールにはグローバル企業や域内企業のASEAN進出のためのプラットフォームとなる機会がある」と指摘。ASEAN域内諸国とのデジタルおよび物理面の双方でコネクティビティーをさらに拡充すると同時に、同域内の専門知識を持った人材を育成する、としている。また、先端製造分野では、同分野での最先端企業を誘致することで、シンガポールを域内向け関連技術やサービスの輸出拠点とするとともに、国内製造業の第4次産業革命への取り組みを支えていく意向だ。
さらにEDBは、企業のイノベーション支援強化の一環として、新部門「ニュー・ベンチャーズ」を設立した。同部門は、企業の共同開発(コ・イノベーション)や社内ベンチャーを支援する。企業と起業家や研究機関などとのマッチングを行うほか、新規事業に取り組む企業のリスクを一部負担するための投資も視野に入れている。
スマートモビリティーの分野では、人工知能(AI)、保険など同分野の産業クラスターを育てるためのエコシステムを構築していく方針だ。同分野では、英国家電大手のダイソンが2018年10月、同社初の電気自動車(EV)の生産拠点をシンガポールに設置すると発表していた(ダイソン、初のEV生産拠点を実写)。また、2019年1月22日には本社をシンガポールに移転する計画を明らかにしている。
(本田智津絵)
(シンガポール)
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