アマゾンがブラジルで発送センター開設、直接販売を開始

(ブラジル)

サンパウロ発

2019年02月07日

eコマース大手のアマゾンは、1月22日にブラジルでの事業拡大を発表した。大サンパウロ圏カジャマル市に4万7,000平方メートルの物流センターを開設し、これまではマーケットプレイス形式だけで販売されていた電子機器、玩具、化粧品などの直接販売を開始する。

カジャマル市の物流センターは約12万点の商品をストックしており、同センターから発送する商品に限り、価格が149レアル(約40ドル、1レアル=約0.27ドル)以上の場合は送料無料となる(書籍は99レアル以上)。

近年、送料無料サービスを提供する企業が減少している中、アマゾンは上記サービスで積極的に顧客獲得を目指すとみられている。さらに、サンパウロ市、リオデジャネイロ市、ベロオリゾンテ市、クリチバ市に限り、発送から最短1日で商品を届けることが可能になると述べている。物流インフラが整っておらず、配送に時間がかかるブラジルでは画期的なサービスと言える。

ブラジルのeコマース市場は成長の一途をたどっており、同市場調査を行うEbit/Nielsenの2018年8月の調査によると、2018年上半期の売り上げは前年同期比12.1%増加し、236億レアルに達した。また、スマートフォンやタブレット端末を使って購入する人は増加傾向にあり、全体の32%に上る(前年同期比30%増)。購入量の多いカテゴリーは、ヘルスケア・化粧品(構成比15.0%)、アパレル・アクセサリー(14.5%)、家庭用品(10.9%)だった。金額ベースでは、電話・携帯電話(18.9%)、家電(17.9%)、そして電子機器(11.2%)と続いた。

(高橋ルシア)

(ブラジル)

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