ナイロビで武装集団がホテル襲撃、警戒高まる

(ケニア)

中東アフリカ課

2019年01月16日

1月15日午後3時過ぎ(現地時間)、ナイロビ市内のホテルDusit D2で武装集団による襲撃事件が発生した。現地紙「ビジネス・デイリー」によれば、少なくとも6人が死亡、30人が負傷した。フレッド・マティアンギ内務・政務調整長官は、事態は沈静化したとして国民に平静を呼び掛けつつ、警戒を高めている。事件の背景は明らかになっていないが、同紙によれば、隣国ソマリアに拠点を置くイスラム過激派勢力のアル・シャバーブが犯行声明を出したもようで、ケニア当局が捜査を開始した。

事件が発生したウェストランド地区は、再開発が進むエリアで、高級住宅や日系企業のオフィスが入居するビルもある。オフィス近くでの襲撃事件発生を受け、スタッフ全員を急きょ退避させた日系企業もあるようだ。

日本の外務省は、在留邦人および渡航者に注意喚起しており外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます、テロ事件など不測の事態に巻き込まれることのないよう、最新の関連ブラック ジャック 確率の入手に努め、周囲の状況に十分注意し、安全確保に努めるよう呼び掛けている。

過去にイスラム過激派によるテロ

ケニアでのテロ事件としては、2013年9月に同じウェストランド地区のウェストゲート・ショッピングモールが襲撃された事件が記憶に新しい(外交官を含む少なくとも67人が死亡、174人が負傷)。その後もナイロビでは走行中のバスが爆破された事件や、多くの買い物客が集まる市場での爆発事件が発生、モンバサではバスターミナルで爆発事件が起こり、それぞれで死傷者が出た。

これらテロ事件の多くは、上述のアル・シャバーブによる犯行とみられている。2011年9~10月に、ケニア沿岸のリゾート地で外国人観光客に対する誘拐事件や強盗殺人事件が発生し、アル・シャバーブの関与が指摘された。国内の治安悪化や観光業への影響などを懸念したケニア政府は、ケニア軍をソマリアに派兵し、アル・シャバーブ掃討作戦を展開。これをきっかけに、アル・シャバーブはケニア国内で報復攻撃を行うようになり、教会やバーなど人々が多く集まる場所でのテロ事件が増加した。2012年9月にはケニア軍を含むアフリカ連合軍が、アル・シャバーブの拠点だったソマリア南部のキスマヨを制圧したものの、その後もナイロビやモンバサで、同組織の犯行とみられるテロ事件が度々発生している。

(的場真太郎)

(ケニア)

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