フィアットクライスラーがデトロイトに完成車の新工場を計画

(米国)

シカゴ発

2018年12月13日

米国CNBCは12月6日、関係者の話としてフィアットクライスラー・オートモービルズ(FCA)がデトロイトに完成車組立工場を新設する意向がある、と報じた。新工場ではジープ「グランドチェロキー」を製造するとされている。FCA広報担当者は、このニュースに関してコメントを発表していない。

FCAの新工場は、デトロイトで2012年に休止されたエンジン工場を転換させ、2020年の稼働を目指すとされている。また、12月7日付の「デトロイト・ニュース」紙の報道では、今回の投資はミシガン州とデトロイト市による補助金パッケージが適用されるかどうかに左右されそうだ。最近では、7月に製薬会社のファイザーが実施したカラマズーでの新施設への4億6,500万ドルの投資と今後数年で見込まれる450人の雇用増に対し、100万ドルの補助金と1,050万ドルの税控除パッケージが適用されている。

米国の新車販売で、スポーツ用多目的車(SUV)を含む小型トラックが堅調な半面、乗用車の落ち込みが顕著だ(図参照)。11月下旬には、ゼネラルモーターズ(GM)が販売不振の北米乗用車5工場における生産停止(関連ブラック ジャック ルール)と1万4,000人の雇用削減を発表した。またフォードも、「エスケープ」や「リンカーンMKC」などのコンパクト・クロスオーバーを生産するルイビルの工場から、「エクスペディション」や「リンカーン・ナビゲーター」といった大型車を生産するケンタッキーの工場への500人の配置換えを発表(11月末)したばかりだ。加えて、モルガン・スタンレーによれば、フォードが発表した110億ドルにも及ぶリストラ計画により、欧州の不採算工場を中心とした2万5,000人の雇用削減が見込まれるとも予測されている。

図 新車販売台数およびレギュラーガソリン価格の推移

(河内章)

(米国)

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