ペルー初の地下鉄全線開通は2024年に延期
(ペルー)
リマ発
2018年12月19日
ペルー運輸通信省(MTC)は、当初の計画から大幅に遅れていたリマ市の都市交通「リマメトロ」の第2号線整備の新たなスケジュール案に合意した、と12月13日に発表した。新スケジュール案では、全線開通を当初の2020年から2024年に延期するが、当初の契約で定められたコンセッション期間(35年)と投資額(53億4,000万ドル)の変更はないとしている。
2014年3月に、MTCとメトロリマ2号線コンセッショネア〔スペインのIridium(25%)、同Vialia(18.25%)、イタリアImpregilo(18.25%)、同Ansaldo STS(16.90%)、日立レールイタリア(11.60%)、ペルーCosapi(10%)〕の間で、官民連携(PPP)方式契約で締結された同線は、リマ市を東西に横断し、アテ・ビタルテ地区とカジャオ地区(途中で2線に分かれ、一方はカジャオ港方面、もう一方はリマ空港方面をつなぐ)を結ぶ全長35キロのペルー初の地下鉄だ。
当初の計画では、2020年の開通を目指していたが、現時点では全体の24%の進捗にとどまっている。工事停滞の背景には、政府による開通予定地の収用遅れやコンセッショネア側による工学確定調査の提出遅れがある。2018年7月時点のペルー会計検査院による調査では、国による73譲渡地区のうち譲渡期限(2016年11月16日)が守られたのは13地区のみだった。一方、コンセッショネア側が負う、工学確定調査の承認取得についても、120件のうち取得済みは45件と同様に遅れを指摘されていた。
MTCのトゥルヒージョ大臣は、譲渡する地区のうち、2019年までには全体の87%が収用を終え、翌2020年には全ての土地が提供されると述べた。また工期については、工期1A(2020年12月完成)、工期1B(2023年7月完成)、工期2(2024年6月完成)の3段階で進められ、工期1A区間については完成と同時に稼働するとした。一方で、既存の1号線との乗換駅になるベインティオチョ・デ・フリオ駅の建設については、政府またはコンセッショネアのいずれが担当するのかについては、いまだ協議中で、2019年には結論を出したいと述べた。
(設楽隆裕)
(ペルー)
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