ピッチコンテストで電動自転車ライドシェアBikxiが優勝

(ブラジル)

サンパウロ発

2018年12月28日

ブラジル・サンパウロ市内のWe Workで12月7日、We Work labsが主催するピッチコンテスト「Demo Day」が行われた。米国ニューヨークに本社を置き、シェアリングオフィスを運営する同社は、2017年にブラジルに進出。2018年11月現在、ブラジル国内に16拠点を有する。

We Work入居企業の中で、アーリーステージと呼ばれる、企業立ち上げから5年程度を経たスタートアップ企業をメインに支援しているのがWe Work Labsだ。同社は世界中に拠点を有するネットワークを生かしながら、個別企業向けメンタリング支援、大企業とのネットワーキングの場の提供など、スタートアップ企業へのサポートを行っている。

今回開催されたピッチコンテストで優勝したのは、電動自転車のライドシェアサービスを提供するBikxi外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますだ。参加したWe Work入居企業21社の中で、来場した6人の投資家および聴衆からの人気が最も高かった。同社は2017年8月から、サンパウロ市を中心にサービスを開始し、既に1万5,000人以上のユーザー登録がある。

サンパウロ市内は渋滞がひどく、通勤時間帯は地下鉄の混雑や遅延も日常茶飯事で、公共交通機関の脆弱(ぜいじゃく)さが問題となっていたところ、Bikxiは、アプリケーションを使用した電動自転車によるライドシェアサービスを提供した。利用者によれば、支払いは登録したクレジットカードから引き落とされるので便利な上、同社のサービスを利用することにより通勤時間が半減したという。

このほかピッチコンテスト出場企業としては、ITエンジニアと企業をマッチング・派遣するサービスを提供するEunerdや、工場などで主に活用される作業工程チェックリストを電子化・共有するアプリケーションを提供するChecklist Facilなどがある。前者は時間単位の契約により、ブラジルの高額な人件費を必要最小限にするメリットがあり、後者は省人化などに寄与するとしている。このように、昨今のブラジルでは、社会課題解決の一助となるスタートアップ企業が生まれている。

(辻本希世)

(ブラジル)

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