カンボジア証券市場への投資家数が7月から倍増

(カンボジア)

プノンペン発、アジア大洋州課

2018年12月18日

カンボジア証券取引所(Cambodia Securities Exchange:CSX)は12月11日、同国の証券市場への投資家数が11月時点で2万人を超え、7月時点の9,891人から倍増したことを明らかにした。外国人投資家の増加は2,948人から3,136人と伸びがみられなかった一方で、国内投資家は6,943人から1万7,289人へと急増した。

CSXは増加の要因として、同国の証券市場に対する楽観的な見通しが持たれ始めたため、とした。また、証券市場が活性化する材料として、(1)同国における平均約7%の経済成長率の継続、(2)上場会社の事業の成長による高い配当利回り、(3)上場会社のセミナーなどによる証券取引に関するオンライン ブラック ジャックの普及を挙げた。

同国では2018年から、成行注文制度(注1)の導入をはじめとした取引規制の緩和が行われ、また、6月にモバイルトレーディングシステム(Mobile Trading System:MTS)(注2)が開始されるなど、証券取引における環境整備が進んだことが、投資家数の増加要因の1つとみられる。

証券市場における今後の好材料として、マイクロファイナンス大手のハッタ・カクセカー(HKL)は5月にリエル建て社債発行をカンボジア証券取引委員会(SECC)に申請して(カンボジア初のリエル建て社債ブラック)、12月5日に同国初となる社債を上場した。発行総額は1,200億リエル(約34億円、1リエル=約0.028円)。また、地場大手商業銀行であるアクレダ銀行の、従業員の自社株保有を目的とした従業員持ち株会社エーエスエー(ASA)が、株式上場に向けて準備を進めているとの現地報道がある。

(注1)成行注文とは、価格を指定せずに、売買の注文を行うこと。

(注2)モバイルトレーディングシステムとは、CSXが開発したシステムで、スマートフォンなどを使用して、売買の注文や市場環境の確認などができる機能を備えている。

(磯邊千春、安野亮太)

(カンボジア)

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